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高齢の親と同居を考えたとき読むコラム ~安心・暖かい家づくり~
公開日:2025.08.27
◇ 高齢の親と同居を考えたとき読むコラム ~安心・暖かい家づくり~ ◇

親御さんとの同居を検討されている皆様にとって、住み慣れた家で、家族みんなが安心して快適に暮らすためには、リノベーションが
有効な選択肢となります。特に、高齢の親御さんと同居する場合、安心・安全と暖かさを両立した家づくりが何よりも大切です。
今回は、同居を見据えたリノベーションのポイントを分かりやすく解説します。
目次
1. 1. 暖かさと安心・安全を両立する家とは?
高齢になると、身体能力の変化に伴い、家の中での思わぬ事故のリスクが高まります。また、寒さが原因で体調を崩しやすくなることも
少なくありません。これらの課題を解決するためには、「暖かさ」と「安心・安全」の両方を考慮した家づくりが必要です。
暖かさの確保
冬の寒さが厳しい北海道では、家の中の温度差をなくすことが非常に重要です。特に、リビングと廊下、浴室、トイレなどの温度差が大きいと、
血管の収縮により血圧が急激に変動するヒートショックが起こりやすくなります。
家全体を高断熱化することで、部屋間の温度差を小さくし、ヒートショックのリスクを減らすことができます。
安心・安全な住環境づくり
高齢者が安心して暮らせる家にするためには、バリアフリーを意識した改修が不可欠です。
段差の解消、手すりの設置、滑りにくい床材への変更など、小さな工夫が大きな安心につながります。
また、将来の介護も見据えて、車椅子が通れる広さの廊下幅を確保することも検討しておきましょう。
2. 2. 間取り・動線改善の具体的アイデア
親御さんとの同居では、プライバシーの確保と家族のコミュニケーションのバランスが大切です。
また、日々の生活をスムーズにするための動線の改善も重要となります。
間取りの工夫
・プライベート空間の確保 お互いの生活リズムを尊重するために、親世帯と子世帯の居住スペースを分ける間取りがおすすめです。
例えば、1階を親世帯、2階を子世帯とする「上下分離型」や、玄関や水回りは共用で、居室を分ける「部分共有型」などがあります。
・1階への生活空間の集約 足腰が弱くなると階段の上り下りが負担になります。親御さんの居室を1階に設け、LDKや水回りなどの主要な
生活空間も1階に集約することで、日々の暮らしが楽になります。
・居室と水回りの距離を短くする 夜間のトイレへの移動など、居室から水回りまでの動線を短くすることで、
転倒のリスクを減らすことができます。
動線改善のポイント
・家事動線の見直し キッチンから洗濯、物干しまでの動線をスムーズにすることで、家事の負担を軽減できます。
・玄関からLDKまでのスムーズな動線 玄関からリビングまで、段差がなく、手すりも設置することで、安全な移動を確保します。
・車椅子でも移動しやすい幅の確保 廊下やトイレの幅は、車椅子での移動を考慮して、80cm以上あると安心です。
3. 3. ヒートショック対策としての断熱の重要性
高齢の親御さんとの同居において、冬場の住環境で特に注意すべきなのがヒートショックです。
これは、急激な温度変化により血圧が変動し、心臓発作や脳卒中を引き起こす現象です。
ヒートショックを予防するためには、家全体の断熱性能を高めることが最も効果的です。
窓の断熱改修
家の中で最も熱が逃げやすいのは窓です。窓を二重サッシやトリプルガラスに交換することで、断熱性能が格段に向上します。
これにより、窓際でも寒さを感じにくくなり、家の中全体の温度差が小さくなります。
壁・床・天井の断熱改修
窓の断熱改修に加えて、壁、床、天井に断熱材を施工することも重要です。
・壁 既存の壁の中に断熱材を充填したり、壁の外側に断熱材を貼り付ける外張り断熱工法があります。
・床 床下の断熱材を強化することで、足元からくる冷えをシャットアウトします。
・天井 天井裏に断熱材を敷き詰めることで、暖気が上に逃げるのを防ぎます。
浴室・トイレの暖房設備
浴室やトイレは、リビングなどと比べて特に寒くなりがちな場所です。これらの空間に暖房設備を設置することで、
急激な温度変化を防ぎ、ヒートショックのリスクをさらに低減できます。
4. まとめ
親御さんとの同居は、新たな生活の始まりです。リノベーションを通じて、家族みんなが快適で安心できる住まいづくりを
しませんか?札幌市東区の建築舎では、お客様のライフスタイルやご予算に合わせて、最適なプランをご提案します。
断熱改修やバリアフリーリフォームなど、住まいに関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
