
代表メッセージ
Greeting
代表者

代表取締役
杉山 聡
代表取締役
杉山 聡
リノベーション事業のはじまり
当社はこれまでリフォーム工事を中心に手がけてきましたが、事業の幅を広げるために不動産業の免許を取得しました。すると、「もう歳だから家を売りたい」というご相談をいただくことが増えてきました。
しかし、売買や仲介だけではなかなか事業として軌道に乗らず、あるとき、相談を受けた物件を自社で買い取り、リノベーションして販売することを試みたところ、思いのほか早く買い手が見つかりました。
そのときに採用したのが、現在のリノベーションの基本スタイルです。
まずは標準プランと価格を提示し、それをベースにしてお客様の希望を取り入れて仕上げていくという、いわば「オーダーリノベーション」の形です。
買主は「新築よりも費用を抑えつつ、自分好みにカスタマイズできる」と喜び、
売主からは「思い出の詰まった家を壊さずに済んでよかった」と感謝され、双方にとって満足度の高い取引となりました。
この経験を通じて、「住み継ぐ」「活かす」というリノベーションの価値を改めて実感し、現在の事業の柱として確立されました。
私は10代から大工としての道を歩み、現在も現場では経験豊富な職人たちとともに家づくりに取り組んでいます。
私たちは、既存住宅のリノベーションにおいても古い木材を活かしながら、気密性能を高める技術と目的意識を持って施工しています。気密性能を確保することは、新築以上に難しい作業であり、それが可能なのは現場の職人の熟練した技術と意志があってこそです。
この高い気密性能により、1階床下の熱源だけで自然な対流が生まれ、家全体をやわらかく暖めることが可能になります。加えて、全国で初めてリノベーション住宅に「第2種換気・ダクトレス全館空調システム《エコブレス》」を導入しました。
給気のみを機械で行う2種換気システムでは、室内の気圧が外気より高く保たれるため、ドアを開けても外気が室内に入りにくくなります。これは無菌室や手術室などのクリーンルームと同様の原理で、感染症対策が重視される今、住宅にも最適な換気方式と考えています。
このシステムが真価を発揮するには、断熱性と同様に気密性が極めて重要です。そのため、新築では標準仕様として、リノベーション住宅ではオプションとして《エコブレス》を提案しています。
リノベーション事業の原点
私の家づくりの原点には、いつも「もったいない」という思いがあります。
古い木材でも、再加工してカンナをかければ、まるで製材したてのような美しい木肌を取り戻します。木は、植えればおよそ40年で育ち、繰り返し使うことのできる循環型の資源です。それが、中古住宅の解体時に大量に廃棄されたり、新築現場で余った材料が処分されたりしている現状に、私はずっと疑問を抱いてきました。
また、人口減少が進むこれからの日本で、今ある建物を活かさずに壊して建て直すばかりでは、社会的にも資源的にも持続可能ではありません。スクラップ&ビルドの時代は、すでに終わりを迎えていると、私は何年も前から実感していました。
リノベーションでは、まず既存住宅の状態をインスペクション(建物調査)によって確認し、再生可能かどうかを慎重に判断します。しかし、新築と違って、現場ごとに想定外の状況が多く、柔軟な判断と対応力が求められます。
ときには、家を土台ごと持ち上げて水平を取り直すこともあります。柱や梁の反りを調整したり、腐食した木材を交換したりと、現場ごとに異なる課題を乗り越えていくには、大工としての技術と経験が不可欠です。
中古住宅でも新築並みの構造・性能を実現できるリノベーション

私自身、10代から大工として現場に立ち、現在も経験豊富な職人たちと共に家づくりに取り組んでいます。リノベーションでは、既存住宅や古い木材を活かしながら高い気密性能を実現するには、高度な技術と明確な目的意識が必要です。それは、単に見た目を新しくするのではなく、家の性能そのものを新築並みに引き上げるための挑戦でもあります。
私たちは全国で初めて、リノベーション住宅に第2種換気のダクトレス全館空調システム《エコブレス》を導入しました。これは、床下の熱源から自然な対流を生み出し、家全体をムラなく暖めることができるシステムです。
エコブレスの特徴は、給気のみを機械で行う第2種換気方式にあります。これにより室内の気圧が常に外気より高く保たれ、ドアを開けても外からの空気が侵入しにくくなります。これは、無菌室や手術室などクリーンルームにも採用されている方式で、コロナ禍以降、住宅の換気性能が重視される今の時代において、非常に効果的な換気方法だと考えています。
ただし、このシステムが本来の力を発揮するためには、断熱性はもちろん、高い気密性が欠かせません。私たちはこの考えに基づき、新築住宅には《エコブレス》を標準採用し、リノベーション住宅ではオプションとして導入を提案しています。
地域を活性化する、建築の力
私たち建築舎は、これから地域の活性化にも本格的に取り組んでいきます。
最近、高齢者向けの介護サービス施設である小規模多機能型居宅介護施設の建築を受注しました。
施主様は当初こうおっしゃっていました。
「なるべくコストを抑えたいし、建物は20年もてば十分です。高齢者も減っていく時代ですから…」
そこで私たちはこう提案しました。
「現代の建物は、きちんとつくれば20年で終わるものではありません。将来、地域のコミュニティ施設として活用する選択肢もありますよ。」
この提案は受け入れられ、長く快適に使える建物としての方向性が定まりました。さらに、働く人や利用者の健康にも配慮し、第2種換気による性能向上も採用いただけることになりました。
高齢者の新しい働く場と、技術の循環
私たちは今、地域資源を循環させる加工場の構想も進めています。
これは、かつて現場を支えてきた高齢の大工たちが再び活躍できる場です。
現場作業は難しくなっても、手仕事の技術や木を見る目は衰えません。
そうした技術を活かし、解体現場から出る木材を集めて加工・再利用することで、新たな循環と価値を生み出します。
この取り組みによって、次のような地域の力が育まれていきます:
• 高齢者の新しい「働く場」の創出
• 高齢者同士の「コミュニティ」の形成
• 技術の継承と活用
• 産業廃棄物の削減
• 地域資源の循環型社会の構築

建築は「人と地域をつなぐ力」
私たちは、建築を「つくって終わり」のものとは考えていません。
人が集い、支え合い、未来へとつながる場を育てるものだと信じています。
「どんな建物を建てるか」ではなく、
「この地域をどうしたいか」から発想する建築。
それが、これからの私たち建築舎の使命です。