地震後の構造点検 ⑤ リノベーションの耐震補強 2
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地震後の構造点検 ⑤ リノベーションの耐震補強 2
2018.10.18 | 住生活お役立ち講座
皆様こんばんは
建築舎のリノベ担当です。
ここ何日か、余震もなく、やっと落ち着いてきましたね。
(とか、書いたとたんにさっきちょっと揺れました)
今日は、「地震で家が倒れてしまう理由について」
③ 接合不良、接合金物の強度不足
のお話をさせていただきます。
③ 接合不良、接合金物の強度不足による倒壊
地震が来たとき、縦揺れの時はもちろんのことですが、実は横揺れの地震でも構造体が浮き上がるような力が働きます。
Aの方向に地面が動くと、建物はB側に引っ張られます。
しかし、耐力壁でしっかり補強している場合は構造が歪まないため、C方向に浮き上がるような力がかかってしまうのです。
建物が基礎から離れてしまっては繰り返される強烈な揺れに耐えるどころか、構造全体が弾き飛ばされて倒壊してしまいます。
そこで構造体が基礎から離れないように、しっかり結びつける必要があります。
そこで耐力壁のすぐわきに「ホールダウン」金物を打ち、基礎と土台を強固に接続します。
こんな形の金物を、どこかの建築現場でご覧になったことがあると思います。
この金物の太さや位置、数などは、建物の構造のバランスを考えながら複雑な計算をして出さなければならず、ただたくさん打てば良いというものではないらしいのですが、その話になると私の知識ではとてもご説明ができません。
うちの設計担当も、耐震ソフトを使って計算しております。
間取や窓の位置を変更するとそのバランスがくるってしまうため、一から計算しなおさなければならず、結構な時間がかかります。
新築注文住宅やオーダーリノベーションのプランを作るとき、設計担当が間取変更のご要望に「この間取はできません」とお断りしなければならない時があるのは、このバランスが取れないときなのです。
決して面倒だからやりたくないわけではないのです。(と、信じてます)
接合金物にはほかにも
柱と梁をつないだり、梁と梁をつないだり、柱と土台、筋違と柱など、様々なものがあります。
また、地震の揺れによって家がねじれるのを防ぐための「火打ち金物」などもあります。
これらの接合がよくなかったり、強度が不足していると、構造体同士がバラバラになって、倒壊や破損の原因になってしまいます。
そこまでいかなくても構造が歪んで、建付けが悪くなったり、柱が傾いて平衡感覚が狂い、めまいや吐き気、肩こりの原因になったりもします。
というわけで、耐震補強には、数えるとドナドナのメロディーが頭の中でリフレインしてしまうほどたくさんの要素があり、金物もその一部でしかありません。
特に住宅のねじれを防ぐためには「火打ち金物」に頼ればそれでよいかというとそれだけではないらしく、そのお話は⑤ 重心と剛心のズレ でご説明します。
私の頭もちょっとドナドナしてきましたので、続きは次回
④ 構造体の腐食による倒壊についてお話しします。
さて、当社では、お客様のお好みに合わせて
選べるリノベーション住宅『R300住宅』を
中心にお家を持ちたいという方の
さまざまなご希望にお応えしています。
ご興味がありましたら、
是非ホームページもご覧ください