地震後の構造点検 ⑬ リノベーションの内部結露防止対策
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地震後の構造点検 ⑬ リノベーションの内部結露防止対策
2018.11.29 | 住生活お役立ち講座
皆様こんにちは。
建築舎のリノベ担当です。
雪も融けて暖かい日が続いていますが、もうすぐ12月。
いよいよ冬がやってくるかと思うとややブルーな気分です。
若いころは冬は冬で楽しかったのですが、歳をとると年々寒さがこたえるようになってきました。
冬の寒さは人間にとってもつらいものですが、住宅にとっても結露という深刻な状況を招きます。
(ワタクシのウチの窓です)
以前にもお話ししましたが、窓や玄関ドアなどの見えるところでの結露は拭き取れば良いのですが、壁の中や天井裏、床下などの結露は拭き取ることができません。
構造体内での結露、特に壁体内の結露ではグラスウールがスポンジのように水を含んでしまうためいつまでも乾くことがなく、カビの発生や腐食の原因になってしまいます。
うんと寒い、晴れた冬の朝に住宅街を散歩すると、雨も降っていないのに基礎が濡れているという、摩訶不思議な現象を見かけます。
実はこれ、壁の中で結露した水分が基礎にしみこんだものなのです。
コンクリートに一回くらい水をかけてもこれほど水が浸み込むことはありません。
そう考えると、壁の中に結露する水の量がどれほどのものか想像がつきますね。
(キャ~)
おさらいをかねて詳しくご説明しますと
① お風呂やシャワー、お料理の煮炊きで水蒸気が発生する。
② 水蒸気は寒いところ寒いところへと寄ってゆき結露する。
③ 水蒸気の粒はとても小さいのでクロスの継ぎ目や木目も通り抜ける。
④ 断熱されていない外壁や下地ボードの裏側で結露する。
⑤ 結露が発生する壁体内にはグラスウールや柱などの構造体がある。
⑥ グラスウールがスポンジのように水を含み、いつまでも乾かない。
⑦ 夏になって気温が上がるとカビや腐食菌が繁殖する。
構造体が腐食して、耐震強度が落ちる
では、この壁体内結露を防ぐためにはどうすればいいか?
というと例によって話は簡単で
① 壁体内に水蒸気を入れず
② 壁体内の構造を冷やさなければ良い
わけです。
そこで、
① 壁の室内側に気密・防湿層を設けて水蒸気の侵入を防ぐ
② 壁の屋外側に断熱材を張って構造体が冷えないようにする
と、こうなります。
もちろん例によって簡単なのは話だけで、
① 気密層を作るためには内壁・天井・床を全て剥がさなければならず、
② 外張断熱を行うためには外壁を剥がさなければならない
ので、大変な手間(人件費)とゴミ捨て代(産業廃棄物処分費)がかかってしまうわけです。
(しくしく)
それでも、新築やリノベーションのようにこれから住宅を建築する場合はまだ良いとして、もう家を建ててしまっている場合、住みながらこんな工事をするのはとても無理で、一時的に仮住まいをしなければならなかったり、そうなると2回も引っ越しをしなければならなかったり、費用も手間も相当な負担になってしまいます。
何とかこの負担を少しでも軽くして、内部結露を防ぐ方法はないのでしょうか?
ということで次回は
リノベーションの劣化対策 内部結露を防ぐ方法その2
「住みながらできる壁体内結露の防止について」
お話しさせて頂きたいと思います。
さて、当社では、お客様のお好みに合わせて
選べるリノベーション住宅『R300住宅』を
中心にお家を持ちたいという方の
さまざまなご希望にお応えしています。
ご興味がありましたら、
是非ホームページもご覧ください