不動産会社発スプレー缶爆発事件について思う
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不動産会社発スプレー缶爆発事件について思う
2018.12.21 | ブログ
こんにちは!
店長の今 です。
12月に入り、寒い日が続く毎日です。
皆さまいかがお過ごしですか?
そんな師走の忙しい最中
宅建業者にとっては心苦しい事故が起こってしまいました。
それも、札幌発で。
スプレー缶爆発事故。
詳細が明らかになるにつれ、残念な気持ちが大きくなります。
正に、あってはならないことが起こりました。
幸いにして亡くなった方がいなかったことがせめてもの救いです。
その後、新しい事実も明るみに出ていますし、
まだ、事故の全容が明らかになったわけではありませんが、
事故を起こした会社(アパマンショップリーシングと
その親会社であり上場企業のAPAMAN)の対応について
考えてみたいと思います。
実は、私事ですが、不動産業界に入る前は、
企業の広報部でマスコミなどからの取材対応や
会社としてのニュースの発信、
今回の事故のような危機管理対応や
リスクマネージメントなどを25年も担当していたので、
このような事故が起こると、
各企業の対応の仕方が気になってたまりません。
今回の事故では、
「なぜ、120本ものスプレー缶を一度に処分しなければ
いけなかったのか」という根本原因もさることながら、
「なぜ、そんな状況で湯沸器を使おうとしたのか」という普通に考えて、
「誰もがわかりそうなことを、なぜ簡単に行ってしまったのか」
という社員の資質の部分の疑問も出てきてしまいます。
ですから、普通の広報対応では済まされない要素がたくさんある事故
と言えるので、余計に気になります。
また、このような事故の対応を注目することによって、
不幸にして自社に何か大きな問題が起こってしまった時の参考にできるからです。
では、思いつくままですが、考えてみたいと思います。
今回の事故で、事故を起こしてしまったブランド企業として
一番単純に解決出来そうなケースは、
事故を起こした店舗がフランチャイズの店舗で、
本体とは全く別の会社であった場合でした。
この場合、本体の会社としては、
〇独自の原因調査を至急行って結果をいつまでに明らかにするかを明言すること。
〇被害者を含めた関係者への謝罪
〇捜査当局への積極的な捜査、検証への協力の明言
〇被害者を含めた関係者への賠償責任についての方針発表
〇事故を起こしたフランチャイズとの契約解除の発表
〇今後このようなことを起こさないための対策などの内容とそれをいつまでに行うのかという明言
これくらいの事を即座に発表出来れば、
事態終息の方向に向かう空気を作ることができたと思います。
※こうすることによって、
少なくともAPAMANへの注目が低くなり、事故を起こした会社に注目を向けることができた、
という意味です。
こうしたら終息するという意味ではありませんので、悪しからず。
ただ、事実は違い、この事故を起こしたのは自社の直営店だったことで、
APAMANという企業全体の責任や資質が問われてしまうことになってしまいました。
しかも、当事者がフランチャイズ店舗だった場合とは逆に、
この事故によって
マイナスの風評にさらされて業績の確保がより難しくなってしまうと予想される、
フランチャイズ各店舗へのケアやフォロー、更にはステークホルダーである株主への対応、
といったことも必要になるため、より、対応が複雑化して難しくなります。
何より、上場企業ですから、
情報開示義務(ディスクロージャー)が課せられることになりますので、
その都度的確に推移を発表していかなければなりません。
翌日、APAMANからニュースリリースが発信されました。
事件の謝罪と現時点で把握していることが書かれています。
担当者への聞き取り内容も書いているので、第1弾としては良いのかと思います。
でも、このような事故の場合に行われる、記者会見の予定が何も触れられていませんでした。
多分、場所の設定や関係者との調査などかなり慌ただしかったのだと思いますが、
出来れば同時に言えれば良かったですね。
このニュースを見たステークホルダーやマスコミがキチンと対応しようとしているんだな
と伝わったのではないでしょうか。
その後、事故を起こした会社の社長により、記者会見が行われましたが、
ここでも少し気になることがありました。
〇会見に出席したのが社長だけでした。
〇質疑応答を立ったまま行っていました。
〇取材記者の位置関係がはっきりしていませんでした。
〇カメラマンの位置が決められていなせんでした。
※ニュースなどでは少なくともそう見えました。
会場が、オープンスペースでした。
このような大きな事故の場合は、
出来れば本部の広報担当が同席した方が良かったのではと思います。
もし、社長がなかなか答えられないような質問ごあった場合などを含め、
マスコミの対応にある程度慣れた方が同席した方が
社長もう少し落ち着いて対応できたのではないでしょうか。
そして、可能なら社長以外の人をスポークスマンとし、
基本的にはその方が話し、ポイントのところで社長が答える
というスタイルにしたかったところです。
社長は会社のトップなので、その発言が会社全体としての発言となりますので、
もし、万が一認識に思い違いのあることがあって、それを言ってしまった場合など、
後から訂正が難しくなるからです。
また、一度謝罪のお辞儀をした後、立ったまま記者の質問を受け答えしていましたが
これも、できればお辞儀の後で着席して、少しでも落ち着ける状況を
作った方がよかったのではないかと思います。
そのためには、記者側も長テーブルと椅子を用意したり、
スチールカメラマンとTVカメラの位置を決めていたり。。。
記者会見は、気になることばかりでした。
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その後、しばらく全国ニュースのトップとして
取り扱われたり、ワイドショーでもいろいろな大学の実験室のようなところを使って
今回爆発の原因になったスプレー缶についてさまざまな形で検証報道されています。
APAMANや当事者会社の対応も、いろいろ行われています。
一番良いと思われるのは、事故の影響を受けた近隣、や被害にあった方々に
社長自ら直接会いに行って話を聞いているところです。
これはなかなかできることではありませんが、
対応が後手後手になって憶測などを呼んで、変な報道をされる
可能性を考えると、素晴らしい判断だったのではないかと思います。
その他、現地近くに受付窓口を設けたり、なかなか素晴らしい対応ですね。
今後は、
●なぜこのようなことをしなければならなかったのか
●このことはこの会社だけのことなのか、アパマン全体のことなのか
●採用を含め、社員教育はどうなっているのか
などが取りざたされるのではないでしょうか。
そして、現時点でも何人の方がTVなどに出ているのですが、
元社員と称する方に、今回の事件を語ってもらう中で、
TV局などのマスコミサイドは、当然マイナス情報がないかどうかに
注目してインタビューなどをしてきますので、
そうやって明るみに出てきたことへの対応を含め
どう対処するかも非常に注目されます。
初めにも書きましたが、
今回の事故では、本当に幸いなことに亡くなった方がありませんでした。
損害賠償などはかなり広い範囲に亘るものと考えられ
非常に大変な対応になるとは思いますが、
乗り越えていただきたいと思います。
以上、長々と書きましたが、今のところ、この事故で考えさせられたことを
書いてみました。
今後も何か気付くことがあったら、書いてみたいと思います。
次回は会社のことが書けるといいのですが。。。
長~~~い目で見ていただけるとありがたいです。
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