地震後の構造点検 ⑯ 自分で見つける腐食の前兆 ②
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地震後の構造点検 ⑯ 自分で見つける腐食の前兆 ②
2019.04.11 | 住生活お役立ち講座
皆さま、こんにちは。
建築舎のリノベ担当です。
しばらくご無沙汰している間にアメーバさんのシステムが変わったのか、長い文章や、サイズの大きい画像を載せると投稿ができなくなってしまうようですね。
(単にワタクシの話が長いだけかもしれませんが・・・)
(というか、いつも社員から「話が長い」と叱られているのは事実なのですが・・・)
というわけで、今回は前回載せきれなかった後半部分
シミを見つけるタイミング
についてお話ししたいと思います。
(決して水増しして投稿数を稼いでいるわけではありません)
構造体の腐食の前兆であるシミは、普段は見えない屋根の中、壁の中の水分が、表ににじみ出てくる現象ですから、そういった現象が起こりやすい環境、時期、時間帯にチェックすると見つけやすいです。
それは、
① 軒天井 : 軒先から雪解け水が垂れ始めた冬の終わり
② 外壁 : ものすごく寒い晴れた冬の朝
③ 基礎 : ものすごく寒い晴れた冬の朝
です。
① は、軒先の雪庇が雪解け水をせき止めることによっておこる現象(オーバーフロー)ですので、屋根の雪が解け始めた時期が最もわかりやすいです。
(オーバーフローの原因と対策についてはこちらをご覧ください)
https://ameblo.jp/kenchikusha/entry-12416011954.html
②と③ は、屋内外の気温差による内部結露が原因ですから、前の日から寒くて暖房の温度を上げた日の翌朝に最も症状が現れやすいのです。
(内部結露の原因とその対策は、この投稿から何度か続いています)
https://ameblo.jp/kenchikusha/entry-12422336158.html
ちなみに内部結露による外壁の無色透明なシミには特徴がありますので、写真と図解をご覧いただきますね。
このように、縦にまっすぐなシミが等間隔に並んでいます。
壁の中には断熱材と柱や間柱があります。
気密性能が足りないと、水蒸気が壁の中にもぐりこみ、外壁の下地ボードの裏側で結露してしまいます。
下地木材(貫や胴縁)の入っていないところは外壁表面にまで水が染み出てくることはありませんが、断熱材がスポンジのように水を含み、年中濡れた状態が続きます。
柱の入っているところは断熱されていませんし、下地木材を通して外壁材に直結していますから、壁の中で結露した水分が表面にまで滲みだしてくる、だから柱の入っている場所に等間隔にシミが現れるというわけです。
これほど水が浸み出してくるという事は、壁の中にはどれほどの水分が発生しているのでしょう。
考えると恐ろしくなりますね。
これを放置すると腐食へと進んでゆくことになるわけです。
水蒸気というものは人が住み始めて、お風呂に入ったり煮炊きをするようになると必ず発生しますし、屋根の雪解け水によるスガ漏れも、雪庇ができたまま雪が解け始めると、比較的築年数が浅くても発生することがあります。
建てて間もなお住宅にお住いだったとしても、雪かきや雪庇を落とすときなどに、ちょっと気を付けて見るようにしてください。
長々と構造の腐食についてお話ししてきましたが、腐食のほとんどの原因が
① 断熱不足
② 気密不足
③ 換気不足
によるものです。
これらは日頃のお手入れやこまめな雪下ろし、メンテナンス工事によってずいぶん軽減できるので、手間も費用も掛かりますが、年収の何倍ものお金をかけて建てた大切な住まいを守ることでもありますし、ご家族が安心して快適に過ごすことにもつながりますのでがんばってください。
ところで、
「確かに地震は怖いし寒さもつらいけど、もう30年以上もたった家だし家族も減ってしまったし、そんなに長く住む予定もないのにそこまでの手間もお金もかけられそうもない」
という方もいらっしゃると思います。
そこで次回は
「長く住む予定のない家をどうするか?」
について、ワタクシの乏しい体験からではありますが、「こんな方法もあります」というお話をさせていただきたいと思います。
さて、当社では、お客様のお好みに合わせて
選べるリノベーション住宅『R300住宅』を
中心にお家を持ちたいという方の
さまざまなご希望にお応えしています。
ご興味がありましたら、
是非ホームページもご覧ください