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地震に強いエネルギー 地震後の構造点検 ⑲


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地震に強いエネルギー 地震後の構造点検 ⑲

2019.04.15 |

災害時にも安全をまもるために、エネルギーの選択は慎重に行おう。

 

皆さま、お晩でした。

 

建築舎のリノベ担当です。

 

去年だったかおととしだったか、10分どん兵衛というのが流行ったのですがご存知でしょうか?

 

非常食

 

カップにお湯を入れて3分で食べるのではなく、10分待ってから食べるというマニアックな食べ方です。

 

ワタクシ実はどん兵衛ファンでして、「もっとおいしい10分どん兵衛の作りかた」なども考案し、非常食の意味もかねて日ごろから部屋にもいくつかストックしています。

 

カセット式のコンロも持っているので去年の地震の時には大活躍!

 

カセットコンロ

 

するはずだったのですが・・・

マンションの4階では停電で水が使えず、コンビニでも水が売り切れていて、結局会社まで行って給湯室でお湯を沸かして食べました。

 

トイレも使えなかったので、復旧までの3日間、毎日会社に通ってました。

 

うちの会社の場合は2階建てなので、ポンプで水をくみ上げるマンションと違って水道が使え、めでたくどん兵衛も食べられトイレも流せたわけですが、もちろんお風呂はないですし、電気が来ないため給湯機も使えません。

 

夏のことでしたので、水で体を洗っても凍えることはありませんでしたが、あれが冬だったら体を洗うどころか暖房も確保できず、凍死する危険もあったのではないかと思います。

 

今の住宅は便利な設備や機器が完備されていますが、

 

全ての機器は電気で動くため、いざ停電となると、場合によっては生命の確保さえ危うくなってしまうのです。

 

 

家を建てる際には、ほとんどの方が毎月々の光熱費(ランニングコスト)を中心に、暖房給湯のエネルギーを選ばれますが、ご家族の安全を守るためには災害への強さについても考えておかれるべきではないでしょうか。

 

というわけで、今回は

地震に強いエネルギー

  • すべての機械は電気で動く

  • 電気を生み出すには熱が必要

  • 災害時にも供給は確保されているか?

についてお話ししたいと思います。

すべての機械は電気でうごく

とにかく地震や災害による停電の時でも使える暖房給湯システムを用意しておきたいところですが、電気・灯油・都市ガス・プロパンガスのどれをとっても停電になると機械が動きません。

 

(ポータブル式の灯油ストーブは別です。地震の後、ものすごくたくさん売れたみたいですね)

 

ポータブル石油ストーブ

 

太陽光発電も昼の間しか、さらに北海道では夏しか十分な発電ができず、最も生命の危険にさらされる冬の夜の低温から身を守る役にはたちません。

 

そこで、数日間でも電力を確保するための

災害時自家発電システム

 

自家発電機

 

を用意しておくと安心です。

 

どうやって電気を作るかというと、発電機というのはコイルのそばで磁石を回してやるという比較的簡単な仕組みです。

 

(発電機の仕組みのわかりやすい説明はこちら)

https://www.yonden.co.jp/cnt_kids/survey/principle/001.html

その回転を生み出すために、火力発電や原子力発電では、暖めた水が水蒸気になって膨らむときのエネルギーを利用しています。

 

水力発電では水が上から落下するときのエネルギーを利用しますし、太陽光発電はシリコン半導体に光が当たると電気が発生するという特性を利用して、直接その電気を取り出しています。

 

どちらも化石燃料を使わないのでクリーンなエネルギーだといわれています。

 

しかし、太陽光発電は夜や冬の北海道では使えませんし、水力発電には切れ目ない水の流れが必要ですから緊急用の自家発電には不向きです。

 

 

 

そうなると、

 

電気を生み出すためには熱が必要

 

ですから、非常用電源のエネルギーとして家庭で使えるのは

 

① 灯油

 

② ガス a) 都市ガス

 

B) プロパンガス

のいずれかという事になります。

どのエネルギーを使うにしても、家庭用の小型発電機が市販されていますが、これらの発電機は水蒸気の力を使うのではなく、爆発力を利用してタービンを回す、言ってみれば車のエンジンと同じ仕組みを使っているため

 

① 排気ガスが出るため屋内では使えない

 

② 車と同じように騒音が出る。

 

という問題があります。

 

灯油とガスを比較すると、ガスの方が排気もきれいで騒音がずっと小さいようです。

 

停電に強いプロパンガス

 

あと気を付けておきたいことは、家庭用の暖房・給湯はガスで発電機は灯油、というのは避けた方が良いと思います。

 

いつ使うかわからない非常用電源のために灯油を何缶も保存しておくのは場所の確保が大変ですし、あまり時間がたつと、灯油が劣化してしまう恐れがあるからです。

 

備蓄が大変な灯油

 

暖房は灯油で給湯と調理はガス、などという場合は発電機はガスでも灯油でも大丈夫ですね。

 

要は、いつも使っているエネルギーをそのまま自家発電に使うのが合理的だということです。

 

 

さて、屋外で発電した電気を家庭内に引き込むためには窓を開けてコードを通す必要がありますが、冬の夜に窓を開けるのは厳しいですね。

そこで、わたしたち建築舎では去年の地震以降、新築・リノベーションの区別なく、外部から電気を引き込める災害時用コンセントを標準装備することにしています。

 

非常用コンセント

 

冬の停電時でも窓を開けずに電気を引き込むことができ、暖房やお風呂を使えるだけではなく、ラジオやスマートフォン、パソコンなどが使えるため、正確な情報を集めることもできます。

 

新築時に設置すると費用もさほどではありませんので、これから家を建てられる、または大規模な改修を計画している方は、工事会社さんに相談してみてはいかがでしょう。

 

 

ところで、非常用の電源については発電機を買えば何とかなりますが、災害時のエネルギーの確保には、停電以外の問題も出てきます。

 

それは

 

災害時の供給は確保されているか?

 

という問題です。

 

例えば震災級の地震が来て地割れや陥没で道路が寸断されてしまったり、ガス管が破れてしまった場合、復旧までには相当の時間がかかります。

 

都市ガス管は道路の下を通っていますので、供給元からお宅までの道が完全に通じないと供給の再開は不可能でしょう。

 

 

灯油とプロパンガスも輸送が難しくはなりますが、ホームタンクやボンベの容量が十分であれば、しばらく持ちこたえることが出来ますし、陸の孤島という状況にでもならなければ、迂回路を使っての供給も比較的早期に再開される可能性があります。

 

そうなると灯油かプロパンガスのどちらかが良いように思えてきますが、

 

「一生に何回あるか?またはあと一度あるかどうかも分からない災害に備えて、毎月の光熱費を増やすことはできないよ」

 

というご意見もあるでしょうし、もちろんそれはその通りです。

 

そこで、

災害に強く、コストの安さも踏まえたうえで、どの熱源を選ぶべきか?

ということになります。

しかし、単に月々の光熱費が安ければコストが低いのかというと、実はそうではありません。

 

というわけで、次回は

「コストで選ぶエネルギー」

についてお話ししたいと思います。

さて、当社では、お客様のお好みに合わせて

選べるリノベーション住宅『R300住宅』を

中心にお家を持ちたいという方の

さまざまなご希望にお応えしています。

 

ご興味がありましたら、

是非ホームページもご覧ください

 

https://kenchikusha.net/

 

 

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