建築舎のコラム
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バリアフリーリフォームでシニア世代の快適な暮らし~リフォームに使える補助金とは~
公開日:2024.01.24
◇ バリアフリーリフォームでシニア世代の快適な暮らし~リフォームに使える補助金とは~ ◇
年齢を重ねるにつれて、私たちは日常生活の中で様々な不満や困りごとを感じるようになり、長年住み慣れた我が家でさえも、時には不自由に感じることがあります。
例えば、お風呂に入るとき、足腰の衰えによって浴槽の縁を乗り越えることが難しくなり、入浴後の立ち上がりも一苦労です。
日常生活の不満や困りごとをバリアフリーリフォームで解決してみてはいかがでしょうか?
バリアフリーリフォームには、国や自治体の補助金があります。
補助金を上手に活用して、バリアフリーリフォームで快適な住まいを手に入れましょう。
目次
1. バリアフリーリフォームの必要性
年齢を重ねるにつれて、住み慣れた我が家でも段差でつまずいたり、入浴時に手すりがほしいなど、不自由を感じ、バリアフリーリフォームを検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、どこをリフォームしたらよいのか分からない方もいらっしゃるかもしれません。
バリアフリーリフォームチェックリスト
□ 段差でつまずくことが多くなった
□ 階段の上り下りがつらく感じる
□ 浴室が滑る、浴槽の出入りがつらい
□ 部屋の出入り口がせまい、扉があけづらい
□ 部屋のなかで転倒することが多くなった
国民生活センターの調査によると、65歳以上の方々に起きる事故の7割以上が、家の中で発生していると報告されています。
事故の原因は転倒や段差でのつまずきが主であり、発生場所は主に居間、階段、キッチンダイニングです。
そのため、家の中で安心・安全に生活するためにも、バリアフリーリフォームが非常に重要です。
「バリアフリー」とは、バリア(障壁)がないことを指します。
バリアフリー住宅は、高齢者や障害を持つ方だけでなく、あらゆる年代や身体状況でも安心・安全・快適に生活できるように設計された住宅であり、バリアフリーリフォームは暮らす方が安心・安全・快適に過ごせることを目的としたリフォームです。
2. バリアフリーリフォームの目的とポイント
バリアフリーリフォームの3つの目的
■家の中での事故を予防する
・段差
足腰の弱い方にとって、ほんのわずかな段差でも転倒やつまずきの原因となりますので、できるだけ段差をなくしましょう。
【ポイント】
段差解消のスロープは長すぎず、急な勾配にしないようにし、式台はしっかり固定してください。
・滑りにくい床
家の中での転倒を未然に防ぐためにも、滑りにくい床材を選びましょう。
【ポイント】
玄関アプローチは濡れても滑らないタイルにし、階段は滑りにくい木材にし、ヘリに滑り止めをつけることが安全です。
また、居間や廊下はコルクタイルなどクッション性があり滑りにくい素材を選択してください。
・照明
高齢になると視力が低下し、家の中の段差が見えにくい場合があります。
【ポイント】
人感センサー付きの照明で明るさを均一にし、光が直接目に入らないようにすることが重要です。
高齢者は白熱灯や蛍光灯では色彩の識別が難しい時があるので、色温度や明るさの調整ができるLEDがおすすめです。
■自立を支援する
・手すり
階段や廊下で壁などにつかまることは危険です。
体をしっかり支える手すりを設置しましょう。
【ポイント】
使う人に合わせた形の手すりを選ぶことや、使用者に合わせた場所(高さ、位置)に設置してください。
手すりはしっかり取り付けないと危険なため、壁の下地工事が必要です。
・水まわり
浴室やトイレなどは、体が不自由でも使いやすいように手すりの設置やドアの変更を行いましょう。
【ポイント】
★浴室
床は乾きやすく、水はけのよい素材に変更し、浴槽が深いと転倒し溺れるリスクがあるので浅めの浴槽がおすすめです。
段差の解消、開けやすいドアへの変更、ヒートショック対策も必要です。
★トイレ
ドアの開閉時や便座の立ち上がり時に体を支える手すりを設置し、トイレの出入り口の段差を解消しましょう。
車イスの方でも開閉しやすいように引き戸がおすすめです。
・玄関
家族だけでなくゲストも利用する場所なので、誰もが使いやすい玄関にしましょう。
【ポイント】
★スロープ
車イスの種類や利用者に合わせた勾配や長さで設置すること。
★手すり
靴を脱ぐときなどに転倒を防ぐために手すりを設置すること。
★ドア
車イスでの出入りがスムーズなドア幅750㎜以上の設置が望ましいです。
自力で開閉できる引き戸が、開けたドアが邪魔にならないという点で便利です。
★照明
足元照明や人感センサー付きの自動点灯照明をつけましょう。
■介護する家族の負担の軽減する
・廊下、ドア幅
廊下やドアの幅の拡張は、車イスが通りやすいだけでなく介護がしやすくなります。
【ポイント】
廊下に手すりがあると車イスを自走しにくい場合もあるので、余裕をもって通れる幅に設定してください。
ドア幅は750㎜以上あると車イスでの出入りがスムーズです。
・介護スペース
日常生活で介助が必要な場合、浴室やトイレは余裕をもった広さがあるとスムーズです。
・ホームエレベーターの設置
2階建、3階建の住居は、上下階の移動をスムーズにするためホームエレベーターの設置がおすすめです。
3. バリアフリーリフォームに使える補助金を解説
【介護保険住宅改修費制度】
介護保険が適用されると、18万円を上限にリフォーム費用が償還されます。
介護保険住宅改修費制度を利用する場合は、リフォーム理由を揃えて事前申請が必要です。
・支給条件
以下の3点を満たす必要があります
・要介護認定「要支援」または「要介護」の認定がある
・福祉施設、病院に入所・入院していないこと
・改修する家の住所が被保険者の住所と同一で本人が居住していること
・対象リフォーム
・手すりの設置
・段差の解消
・滑りの防止や移動の円滑化のための床材変更
・ドアの付け替え
・トイレの取替
・上記5つに付帯して必要となる住宅改修
【自治体の補助金】
自治体により、高齢者や障害者を対象にリフォームの補助金制度があります。
自治体によって補助金額や条件、申込方法が異なるので、各自治体のHPや役所の窓口でご確認ください。
【リフォーム減税】
バリアフリーや省エネなどのリフォームは、所得税の控除や固定資産税の軽減があります。
確定申告、必要書類、また適用条件があります。
年によって変わる可能性もあるので最新の情報を確認しましょう。
4. まとめ
バリアフリーリフォームで失敗しないために
・事前に補助金制度を調べる
介護保険住宅改修制度を使う場合は、事前申請が必要です。
手続きを忘れると補助金を受け取ることができません。
また、リフォーム会社が指定されている場合もあるので、業者に依頼する前にHPや窓口で確認しましょう。
・バリアフリーリフォームの実績がある業者に依頼する
バリアフリーリフォームは普通のリフォームと異なり、住む方や介助者の負担を減らし、安心・安全に暮らすことができるかがポイントになります。
実績のある業者であれば、リフォーム内容だけでなく、補助金についてもアドバイスがもらえる可能性があります。
バリアフリーリフォームは暮らす方の安心・安全だけでなく暮らす方の自立性の維持をサポートします。
補助金制度を活用し、お得にリフォームをしましょう。