建築舎のコラム
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寒冷地のリフォーム・リノベーションにオススメ!床下断熱で足元からポカポカ
公開日:2024.04.04
◇ 寒冷地のリフォーム・リノベーションにオススメ!床下断熱で足元からポカポカ ◇
寒冷地では、冬時期の光熱費が全国平均よりも高い傾向にあります。
なかでも、暖房費がそのほとんどを占め、近年の光熱費高騰もあり、暖房費の節約は必須!
そこで、長期的な暖房費の節約対策として「床下断熱」がオススメです。
空気の密度の問題で、冷たい空気は下の方へ流れる性質があります。そのため、冬の寒い時期は、冷気が室内の床付近や床下へたまりやすくなってしまいます。
冷気の影響を受けやすい床下の断熱対策をすることで、寒冷地でも効率よくポカポカな家をめざしましょう!
目次
1. 「床下断熱」って何?そのメリットとデメリットについて紹介!
2. 床下断熱におすすめの断熱材3選!種類と費用目安を紹介
3. 寒冷地はほぼ義務化!?床下断熱を入れたほうがいい家とは?
4. まとめ
1. 「床下断熱」って何?そのメリットとデメリットについて紹介!
床下断熱とは、フローリングなどの床材の下部分に断熱材を施工し、室内の熱移動を抑える工法のことです。
床下部分に断熱材を施工することで、寒冷地で寒くなりがちな床下からの冷気の侵入を抑え、室内の温度低下を防ぐことができます。
そこで、床下断熱を施工するうえでのメリットとデメリットを詳しくご紹介します。
【メリット】
▪️暖房費の省エネになる
室内の熱移動の原因になりやすい床下部分を断熱補強することで、既存の室内空調や床暖房などの暖房効率も上がり、直接的に暖房費の省エネにつながります。
施工工事の初期費用はかかりますが、今後も高騰が予想される暖房費を想定すると、中長期的な暖房費の節約になるのではないでしょうか。
▪️既存住宅でもリフォームで施工できる
新築に限らず、既存住宅でもリフォームやリノベーションで断熱工事は可能です。
床材を剥がしての工事となるため、水回りのリフォームなどをお考えの場合は、同時に施工することで施工費用も削減できます。
【デメリット】
▪️DIYに向いていない
床材を剥がす床下工事となるため、水道の配管や電気系統の配線を触る複雑な工事となります。費用を抑えようとDIYをする方が増えていますが、同時に工事トラブルとなる件数も増えています。その場合は、かえって費用が高くなるため、必ず専門のリフォーム業者に依頼しましょう!
▪️断熱性能に限界がある
新築問わず施工可能な床下断熱ですが、とくに既存住宅のリフォームやリノベーションの場合は、床下スペースの大きさによって、施工できる断熱材に制限があるケースがあります。
逆に、床下にしっかりとスペースがある場合は、十分な断熱性能が期待できます。
2. 床下断熱におすすめの断熱材3選!種類と費用目安を紹介
断熱材は空気が動かないように固定し、閉じ込めることで熱を伝えにくくします。
空気を固定する方法は大きく分けて、繊細に絡み合った繊維の中に空気を閉じ込める「繊維系断熱材」と、細かい気泡をプラスチックの中に閉じ込める「発泡樹脂系断熱材」があります。
寒冷地でも比較的湿気の影響を受けやすい床下には、水に強い断熱材がおすすめです。なかでも、需要の高い断熱材3種類と費用目安を詳しくご紹介します。
※費用目安は、延床面積40坪を1棟とした住宅に必要とされる平均価格
【繊維系】セルロースファイバー
セルロースファイバーとは、古紙からリサイクルされる天然素材でできた断熱材です。セルロースファイバーは、作業者が直接手作業で吹き付け施工を行うため、隙間や偏りなく隅々まで断熱材を充填し、隙間風や床下からの冷気侵入を防ぐことができます。
また、セルロースファイバーには吸放湿効果があり、湿気を防ぐための結露対策にも効果的です。デメリットとしては、吹込み作業を手作業で丁寧に行うので、施工日数やコストがかかります。
費用目安…95~120万円
【発泡樹脂系】ポリスチレンフォーム
ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂を成型して作られた断熱材です。無数の気泡体で構成されており、高い断熱性能が特徴です。床下へ施工することで、気泡が床下からの冷気流入を抑え、寒い時期も温かく過ごせるようになります。
さらにポリスチレンフォームはプラスチック素材なので水に強く、床下の湿気対策にも効果的です。
費用目安…50~65万円
【発泡樹脂系】ウレタンフォーム
ウレタンフォームとは、ポリウレタンを発泡させて作られた断熱材です。ウレタンフォームには、熱伝導率の小さいガスが多数含まれており、床へ施工することで床下からの冷気を防ぐのに最適です。
ウレタンフォームは水を通さない気泡であることから非常に湿気に強く、湿気の影響を受けやすい床下への施工に効果的です。ただしウレタンフォームは、プラスチックを食べる特性のあるシロアリ被害に遭う可能性があるため、床下への施工にはシロアリ対策を同時に行うことをおすすめします。
費用目安…65~80万円
3. 寒冷地はほぼ義務化!?床下断熱を入れたほうがいい家とは?
一般住宅の省エネ基準は1980年に制定され、断熱性能の向上が掲げられました。この基準はその後も改訂され、現在は、京都議定書をきっかけとした1999年の次世代省エネ基準が基準となっており、高気密・高断熱性能がより推奨されるようになりました。
環境に優しいモノづくりが必須とされる現代です。省エネ基準に基づいて床下断熱を入れた方がいい家をご紹介します。
▪️1999年以前の新築は推奨!1980年以前の新築は必須!?
新築住宅では1980年代以降、徐々に断熱材が入れられるようになりましたが、義務化はされておらず、比較的築年数が浅くても床下断熱が施工されていない住宅は多くあります。
次世代省エネ基準が制定された1999年以降は、床下断熱がなされた家がほとんどですが、それ以前の新築住宅はご自宅の断熱性能を要確認!1980年以前の新築は断熱性能がほとんどないと考えましょう。
▪️寒冷地の省エネ基準は全国一!
次世代省エネ基準では、国土交通省が気候風土に合った住宅などの建築を行うために、日本の気候を気象データに基づいて区域分けしています。
そのなかでも、寒冷地である北海道は、もっとも基準の厳しい省エネ基準地域に区分されています。
2025年には次世代省エネ基準への適合が義務化され、一般住宅を含む全ての新築の建物が断熱材の厚さや窓の構造などの基準を満たすことが求められるようになります。とくに寒冷地の住宅では、より高い断熱性能が求められているということを認識しましょう!
断熱性能向上には、冷気が溜まりやすい床下断熱の施工がもっとも効果的といえます。
4. まとめ
今回の記事では、床下断熱について、そのメリットデメリット・おすすめの断熱材についてご紹介しました。
株式会社 建築舎では、気密・断熱にこだわったリフォーム・リノベーションで、快適な住まいづくりをお手伝いします。
ぜひご相談ください。