建築舎のコラム
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雪国の冷たい冬も温かく乗り越える~寒冷地リノベーションの成功法~
公開日:2024.04.10
◇ 雪国の冷たい冬も温かく乗り越える~寒冷地リノベーションの成功法~ ◇
家づくりを考えるとき、その土地の気候や性質に合った特性を考慮したうえで綿密な設計プランを立てることが重要です。
なかでも、北海道などの寒冷地で快適に暮らすためには、温暖な地域とは異なる特別な仕様や工夫が必要になってきます。
今回の記事では、寒冷地で安全かつ快適に暮らすために必要な家づくりのポイントを詳しく説明していきます。
目次
1. 寒冷地の家づくりで注意したいこと
▪️高気密・高断熱
冬でも暖かく快適に暮らすために、建物の気密性・断熱性を高めることは必須といえます。隙間風の出入りしやすい窓やドア部分に高気密サッシを採用する。また、天井・壁・床下など冷たい外気が滞留しやすい箇所にしっかりとした断熱材を施工し、断熱性能を高めましょう。
住宅を高気密・高断熱仕様にすることで、暖房効率を高め、建物内の温度変化を軽減することで、長期的な光熱費の節約や冬場のヒートショック防止などのメリットも多くなります。
▪️適切な換気
寒冷地では、最近では新築はもちろん、既存住宅も高気密・高断熱仕様にリノベーションをする家が増えています。
そこで必要となってくるのが、定期的または適切な換気性能が必要となります。高気密住宅では温度だけでなく、調理や喫煙で生じる生活臭や暖房器具によっては使用時に発生する化学物質が室内にこもりやすくなります。また、時期によっては感染症の流行など、気密性に応じた換気システムを導入しましょう。
▪️積雪量に合わせた屋根の形状
昔は、寒冷地では荷重積雪防止のため急勾配な三角屋根が主流でしたが、最近ではフラットルーフが増えています。
その場合、屋根にヒーターを設置して熱で雪を融かすシステムや灯油で温めたお湯をパイプに流す方法が一般的です。
雪下ろしの負担や落雪事故の軽減などのメリットもありますが、人工熱源や灯油を使用するため電気代や燃料代がかかるというデメリットもあります。
雪下ろし人員やその土地の積雪量に応じて屋根の形状も専門家に相談しましょう。
2. 北海道でも暖かく快適な家にするポイント
寒冷地に限らず、建物内が寒くなるのは以下の理由があげられます。
- 建物の断熱性能が不十分
- 暖房効率が悪い
- 日当たりの悪い間取り
高気密・高断熱は寒冷地で暮らすための最低限の設備と考え、より暖かく快適に暮らすためのプラスαポイントをご紹介します。
▪️全館空調システムの導入
全館空調システムとは、部屋ごとに暖房設備を設けるのではなく、建物内全体を均一に暖めるシステムのことです。
リビングや寝室などのメイン空間だけでなく、寒くなりがちな廊下や浴室・洗面所まわりなども、温度変化なく暖かく過ごせるようになります。
冬時期に、温度差の大きい部屋移動などで起こりやすいヒートショックを防止するなどの効果があります。
また、費用がかかると思われがちな全館空調システムですが、エアコンなどの暖房器具は立ち上がりや、寒い部屋などの大きい温度差を縮めようとする際にもっともパワーを使い光熱費があがるので、常に室温を均一にキープする全館空調のほうがかえって省エネなのです。
▪️暖房効率のいい間取り
建物内の暖房効率を考えると、部屋を暖めるのに時間がかかる吹き抜けや大空間は、あまりおすすめできません。なるべく、立方体に近いシンプルな間取りを採用しましょう。
また、窓の形状や配置を考えるときは、南側に大きめの窓、夕方まで西日を取り込めるよう西側にも窓を設け、できるだけ長時間、室内に採光できるようにしましょう。
3. リノベーションで採用したいオススメ暖房設備
▪️床暖房
冷たい空気は建物の低いところへ滞留します。すなわち、寒くなりがちな床部分を温めることが建物内の暖房効率を高めるのにもっとも効果的です!
その代表が、床暖房です。床暖房には「電気式」と「温水式」があり、「電気式床暖房」は、床下に這わせた熱源を電気で温めます。メリットは、床が温まる時間が比較的早いことです。デメリットは、室内が乾燥しやすい、電気代がかかるなどです。
「温水式床暖房」は、床下の温水パイプをガスで温めます。メリットとしては、室内がほんわかと暖まり、乾燥しにくい。デメリットとしては、床が温まるまで電気式に比べ多少時間がかかる、ガスを使用するためオール電化住宅では使用できないなどがあります。
▪️セントラルヒーティング
セントラルヒーティングは、欧米の寒冷地発祥の全館空調システムのひとつで、建物の一箇所に熱源を発生させて、建物全体を暖めることを目的としています。
近年、日本でも北海道などの寒冷地ではセントラルヒーティングのニーズは非常に高く、70〜80%の新築住宅で採用されています。そのため、既存住宅でもセントラルヒーティングの設置を目的としたリノベーション件数は増加しています。
メリットとしては、温風が出ないので乾燥しにくい、火を使わないので火災や火傷のリスクが低く小さなお子様がいる家庭でも安心して使用できる点があります。
デメリットは、設置時の初期費用やランニングコストが安価ではない点などがあります。
▪️エコブレス
エコブレスとは、全館空調システムで、外気を積極的に取り入れながら建物自体の熱容量で温度調整を図り最小の熱負荷で暖房できる(夏は冷房できる)システムです。自然体流で各お部屋の温度ムラを抑制できるだけでなく、加圧換気により季節問わず外気を確実に導入でき、PM2.5等の汚染外気の室内侵入を抑制できる優れものです。
建物に一定以上の気密性が必要なため、リノベーションで導入できる建築会社は限られています。
4. まとめ
寒冷地では、冬の寒さを軽減させるための気密・断熱は必要不可欠。株式会社 建築舎では、気密・断熱はもちろんのこと、全館空調「エコブレス」をリノベーションでも採用し、ずっと続く健康・快適な住まいをご提案します。
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