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家を売ったあと、どこに住めばよいか? 地震後の構造点検㉑


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家を売ったあと、どこに住めばよいか? 地震後の構造点検㉑

2019.04.21 |

皆さま、お晩でした。

 

建築舎のリノベ担当です。

 

なんだか今年は3月の終わりになって雪が降るなど不順な天候が続いていますが、風邪などお召しになっておられませんでしょうか?

 

今から15年ほど前、インフルエンザが流行りすぎて、「タミフル」が足りなくなったことがありました。

 

ワタクシ、運悪くその時に感染してしまいまして、8日間ほぼ寝たきりになってしまいました。

 

インフルエンザ

それまで、

「インフルエンザなんてちょっと熱の高い風邪みたいなもんだろう」

と甘く見ていたのですが、食事もとれず、全身の痛みで眠る事さえできず、トマトジュースとポカリスエットで何とか生き延びましたが、

 

「これでは抵抗力のない子供やお年寄りがなくなるのも無理はない」と身を以て実感した次第です。

 

一人暮らしで困るのはそういう時で、食事のしたくはおろか、汗でぬれたパジャマやシーツの洗濯もできません。

いざ命が危ないとなっても、救急車を呼ぶことさえできないかもしれないのです。

 

ワタクシ、建築舎のリノベ担当、当年とって57歳、いまだに(多分一生)独身です。

 

もし今後あの時のような状況になったら孤独死してしまうのではないかと思いますので、周りの人々に迷惑を掛けないように健康には気を付けなければなりませんし、老後の対策も練っておかなければならないと思っています。

 

 

ところで先週、

 

「地震や台風、経年劣化で傷んだ家に住み続けるより、思い切って住み替えた方が安心で快適なのではないか?」

 

というお話をしましたが、

 

「このまま住み続けることが難しいのはわかっている」

 

「でも、家を売ったあといったいどこに住めばよいの?」

という方もいらしたのを思い出しました。

 

そこで今回は、というか、このあと何回か、とびとびに、

(また長くなりそうなので)

 

「家を売ったあとどこに住めばよいか?」

 

  • 次の住まいの選択肢
  • 住み替えるリスクと住み続けるリスク
  • 一人暮らしのリスクに備えておきたいことについて、ワタクシが今までお手伝いした乏しい経験からではありますが、実例をもとにお話ししてみたいと思います。

かといって、何も特別な選択肢があるわけではありません。

 

今の家に住み続けることと、家を売って住み替えた場合とを比べて、どちらがより有意義に充実して暮らせるかについて、

「こんな考え方をして、こんな選択をなさった方もいらっしゃる」ということをお伝えしたいと思います。

 

「次の住まいの選択肢」

 

家を手放した後、お子様と同居できる場合は大きな問題はないと思いますが、お歳を召した御夫婦だけ、またはお一人で住まなければならない場合、病気やけがなどの不測の事態が最も心配です。

 

一人暮らしの病気家庭内事故

そこで一番安心なのが

 

① サービス付高齢者住宅の利用です。

 

私たちが手掛けた最初のリノベーション住宅を売ってくださったかたは、70代後半の男性でした。

心身ともに非常にしっかりした方で、まだまだあと10年くらいはお一人でも大丈夫かと思われましたが、お友達が内覧するのに付き合われて、「これはいいサービスだ」と思ったらしく、一緒に入居されました。

 

私は誤解していて、こういった住宅には介護が必要な方しか入居できないと思っていたのですが、自分のことは自分でできる「自立」した方でも一定年齢を超えていれば入居できるのですね。

 

そちらの施設は60歳以上が条件だったので、ワタクシあと3年で条件がクリアできるというわけです。

 

ある意味、全く違った集団生活の中に入ってゆくことになるのですが、プライバシーも保てるし、お友達と一緒ならさびしいこともありません。

 

何よりも急な体調の変化や怪我があった時も安心です

ご成約後までの間、何回かご報告やご相談に伺ったのですが、新しいお友達も増え、とても楽しく暮らしていらっしゃいました。

 

ただ、問題は結構な費用がかかるということです

 

毎月8万円強の家賃がかかるうえ、介護サービスを利用するようになるとさらに5万円前後かかります。

食事を全て頼むこともできますが、そうなるとさらに5万円くらいかかります。

 

国民年金の平均受給額が6万円前後ということを考えると、かなりハードルが高いですね。

(ワタクシ、この時点で条件からハズれますね)

ただ、自分のことが自分でできる(自立している)間は家賃だけで済みますので、見守り機能付きのワンルームマンションといったところでしょうか?

 

 

逆に家賃をなるべく抑えたいのであれば、

 

② 公営住宅を利用する方法があります。

 

市営住宅などは、家賃が収入に応じて決まりますから、仮に年金が足りなくても今の住宅を売却したお金を少しづつ使っていけば、きちんと暮らしてゆくことが出来ると思います。

 

公営住宅を選んだ場合の問題の一つは、抽選に受からないと入居できないということです。

 

地下鉄や利便施設に近いとか、エレベーターがついているなどの人気物件は10年応募しても受からない人もいると聞きました。

 

実際、買取価格の査定依頼をお受けして、ご満足いただける買取価格をご提示したにも関わらず、市営住宅の抽選待ちでいまだに売却に至らず、そのままご自宅に住み続けている方もいらっしゃいます。

 

空き室がある不人気物件は申し込めば抽選なしで入居できるかもしれませんが、たまたまあたったお部屋が階段を5階まで登らなければならない場合もあり、年齢とともに辛くなってゆく可能性もありますね。

 

そしてもっと大きな問題は、見守り機能がないということです。

 

最初にワタクシがインフルエンザにかかった時のお話しをしましたが、一人暮らしでの不測の事態は年齢に関係ありません。

 

まだ御夫婦でのご入居であれば心配も少ないのですが、それでもお歳を召してからの感染などは共倒れの危険があります。

 

ですので、この場合は独自にリスク回避の仕組みを作っておく必要があります。

(その方法についてはまたあとで考えたいと思います)

 

 

家賃も抑えたいし、最低限の安心と安全も確保したい場合には、

 

③ 民間賃貸の利用がお勧めです。

 

民間賃貸というと

 

「年寄りの一人暮らしには部屋なんて貸してくれないでしょ?」

 

とか、

 

「民間賃貸の見守り機能付きなんて、家賃が高いのでは?」

とご心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、(そしてワタクシもそこを心配していたのですが)実はそんなことはありません。

 

もちろん、見守り機能といっても最低限のものですし、「サービス付住宅」のように至れり尽くせりといったものではありませんが、

 

高齢であっても部屋を貸してくれる賃貸はちゃんとあります。

 

ネットで

 

「札幌市○○区 シニア 賃貸」

 

と検索すればたくさん出てきます。

 

古い物件でもよければ、家賃1万円台からあったりします

 

確かに数年前までは高齢者お一人での入居は歓迎されませんでしたが、

 

  • 近年のアパート建設ラッシュで賃貸物件が増えすぎたこと
  •  
  • 空室が増えてきたため、大家さんが入居者をえらべなくなってきたこと
  •  
  • 高齢化でシニアの需要が増えていること

 

などで、「シニア歓迎物件」が増えています。

 

そもそも高齢者の入居が嫌われていた訳は、

 

「深刻な事故や孤独死などがあると事故物件として告知しなければならず、入居者が集まらないか、家賃を下げなければならない」

 

からなのであって、

 

それさえ防げばむしろ大家さんにとってはチャンスなのです

 

ご高齢の入居者様は転勤や家族の増加による住み替えが少ないため、入居者がかわるたびに必要な募集広告やハウスクリーニングの費用が節約できますし、見守り機能があればご家族も安心できて、サービス自体に付加価値が生まれるからです。

 

つまり、これからは「シングルシニア」が優良顧客として大切にされる時代なのです。

 

もう3年ほども前になりますが、基礎が一部崩れて、断熱不足のために結露がひどかったお宅を売って、賃貸アパートに住み替えた男性がいらっしゃいます。

 

当時70歳をこえていましたが、今でもお元気に暮らしてらっしゃいます。

 

ここで、見守り機能が大切になってきます。

 

例えば赤外線センサーなどで、一定時間人の動きがなかった場合、管理会社やご家族に連絡が行くというようなシステムです。

 

長時間トイレの使用が無かったり、冬なのにガスや電気、灯油が使われていなかったり、なども異常を知らせるサインですので、そういったサインを自動で検知する方法で対策をとっている管理会社もあります。

 

こういうサービスを取り入れている物件があれば、病気や怪我があった場合も、手遅れになる前に助けてもらえるので安心ですね。

 

当時築45年だったその家は新築基準でリノベーションされ、今ではご夫婦と小さなお子様二人の、若いご家族が住んでくださっています。

 

去年の地震後の点検でも、建物の傾きが 1.5㎜/1m、という、新築基準を大幅に超える検査結果が出ていて、本当に安心していただいています。

 

家を売る方にも買う方にも安心な生活をしていただけるということは、住生活を仕事に選んだ私たちにとってこれほど幸せなことはありません。

 

 

 

「今の家に住み続けるのが難しい」、とか「不安だな」、と感じた時は、こういった住み替えプランを考えてみるのも良いのではないでしょうか?

 

ちゃんとした不動産会社や買取会社であれば、自社にそういったサービスシステムがなくとも、良心的な賃貸管理会社を紹介してくれると思います。

 

わたしたちも、そういった頼りになる会社さんたちとご縁を深めたいと思っています

 

 

ところで、

 

「今の家では家賃がかかっていないのに、住み替えるとなれば家賃を払わなければならない。そんな余裕はないと思う」

 

というご心配があるのも当然です。

 

そこで次回は、

 

「住み替えるリスクと住み続けるリスク」

 

について、経済的な部分も含めて考えてみたいと思います。

 

さて、当社では、お客様のお好みに合わせて

選べるリノベーション住宅『R300住宅』を

中心にお家を持ちたいという方の

さまざまなご希望にお応えしています。

 

 

 

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