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「無料太陽光発電はどうやって成り立っているのか?」 地震後の構造点検 ㉔


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「無料太陽光発電はどうやって成り立っているのか?」 地震後の構造点検 ㉔

2019.05.09 |

 

皆さま、お晩でした。

建築舎のリノベ担当です。

例によって、ワタクシの知人からブログの投稿に突っ込みが入りました。

「お前最近手を抜いてるよな。

前は図解を自分で作っていたのに、最近、無料イラストばっかりじゃないか」

無料イラストの使用については、その通りで反論のしようもありません汗

しかし決して手を抜いているわけではないのです!

(なんか、いつもおんなじような言い訳してるな~・・・)

だって、屋根の構造や柱と梁の関係などはともかく、寒くて震えている人の画像や、あったかくくつろいでいる人の画像を、どうやってパワーポイントで作ればよいというのでしょうか?

最近の投稿でつかわせていただいているかわいいイラストは、あの有名な無料イラスト提供サイトの「いらすとや」さんからいただいています。

あれだけ質の高いイラストを無料で提供できるというのは、いったいどういう仕組みなのでしょうか?驚きを禁じえません。

しかも、私が「ここにイラストが欲しいな~」という時は文章ではなかなかうまく表現できない部分が多いのです、ほぼすべてのシチュエーションに対して使えるイラストが見つかります。

無料なだけではなく、「何に使ってもいいよ」という「太っ腹」ぶりにも頭が下がります。

本当にいつもありがとうございます。

(とっても便利な「いらすとや」さんのページはこちら)

https://www.irasutoya.com/

質の高い仕事を続けるためには時間が必要で、その時間を生み出すためにはお金が必要です。

その仕事が無償であれば、質をあげようとして時間をかければかけるほど財務状態を圧迫し、事業が成り立たなくなるからです。

パソコンで使うフリーソフトなども、あんなに開発に時間がかかっているものをどうやって無料にしているのか疑問に感じます。

中には「無料」を装って実はお金がかかったり、ほんの味見ていどの時間は無料でつかえて「これは便利だ」と思ったとたんに課金が始まるなどというものも多くありますのに・・・

(というかそれが当たり前で、スーパーの試食と同じですよね)

前回、「タダより高いものはない!」と子供のころ父に叱られたこと、

うまい話に弱いワタクシ

それなのに、いい歳をしてまたフラフラと「お得そうな話になびいてしまっているワタクシ」のお話をしましたが、どうやら最近は

「タダでも本当にお得」

というか、

「誰も損をせずに、みんなで少しずつお得になる」WINWINの関係を作るビジネスモデルが出てきているようですね。

そこで今回は、前回の続き、

「無料太陽光発電はどうやって成り立っているのか」

◆ そもそも本当に「タダ」なのか?

◆ 「タダで提供」のうらにあるねらいとは?

◆ 無料太陽光発電設置の条件

について考えてみたいと思います。

前回、太陽光発電の「ゼロ円」提案のほとんどが、「一度は代金を払ってもらうけど、売電代金で元がとれるから「実質的にはタダになる」という意味ですよ、その場合、暖房給湯設備ともあわせて住宅ローンの借入額が増え、金利負担や審査の点で不利になることがあるよ、というお話をしました。

電気代というランニングコストが安くても、初期投資(イニシャルコスト)やその差額にかかる保証料、金利負担といったファイナンシャルコストが大きくなるため比較すると損になってしまう場合もあるからです。

そこで一番気になるのが、

そもそも本当に「タダ」なのか?

という点ですが、これはホントに「タダ」でした

正確に、かつ平たく言うと

① 10年間、お宅の屋根を貸してください。

② その間発電量の30%は自由に使ってください。

③ 残りの70%を私たちが売って元をとります。

④ 10年たったらソーラーパネルはそのまま「タダ」で差し上げます。

⑤ その後は、残りの70%の電力を私たちに売って下さい。

と、いった内容です。

じつはこの、「お宅の屋根貸してください」モデルは、本州のほうではもっと前からありました。

別に今始まったものではなく、ちゃんとした実績があるものなのです。

太陽光発電で事業として十分な発電量を賄うためには広い面積(土地)が必要です。

土地を買えばそれなりの金額を支払わねばなりませんし、固定資産税もかかります。

安くて広い土地を探せば街からは離れた場所になりますから、電力の消費地までの長い距離に送電施設を建設しなければならず、その維持管理にもお金がかかります。

何年か前にソフトバンクが苫小牧市に広い土地を買ってメガソーラー発電所を作って話題になりましたが、人の家の屋根を借りれば土地を買う必要がありません。

ふつう、人の家を借りたら家賃を払うことになりますが、家賃の代わりに昼間の電気をタダで使ってくださいということです。

要するに

「タダで提供」のうらにあるねらいとは

土地を買わずに街の中に発電所を作ってしまおうということなのです。

街全体が発電所になる

こうなると、発電所と消費地が直結し、いろいろなコストが削減できるため、安い電気を提供しても採算がとれるようになるでしょう。

10年間は設備の元をとらなければならないため儲けはあまり出ないでしょうが、11年目以降は安い電気が安定的に手に入り、いろいろな事業に利用でき、稼げるようになるということです。

しかも屋根を貸す人にとっては、

① 150万円はするソーラーシステムがタダでつけられる

② 10年間は昼間の電気がタダになる

③ 11年目からは昼間の電気がタダで、ほかに売電収入も入る

わけですし、

ソーラーパネルメーカーもパネルがたくさん売れてラッキーです。

つまり基本的には誰も損をせず、ドカン!とは儲からなくても、みんながちょっとずつお得になるというわけです。

北海道では積雪が多くて発電効率が悪いため、このビジネスモデルはなりたたないと思われていましたが、

① ソーラーパネルの性能が上がって発電効率が良くなった

② 設置・施工を工夫して、工事費を下げられるようになった

ため、北海道・東北でも比較的雪の少ない地域では採算がとれるようになったということなのでしょう。

こういった形で電力供給が整備されれば、今後、去年の地震による停電のようなことが起こっても被害を軽くするための一助にもなるかもしれませんから社会的意義も大きいですね。

こういった、地道な企業努力を背景にしたWINWINの(みんなが得をする)関係で成り立つビジネスは簡単には崩れないことが多いです。

政府主導の公共事業とちがって、民間によるインフラ投資というのは実需と採算性に基づいていますし、ごく一部の人たちだけの一時的な儲け話と違って、広く多くの人が長期間メリットを受けつづけるからです。

無料太陽光発電の条件

もちろんいいことばかりではありません。

雪で発電効率の落ちる北海道での無料提供ですからそれなりの条件が付いていて、どんな家でもつけてもらえるというわけではありません。

雪の多い地域では、設置をお断りされてしまいます。

(必要な発電量が得られず、10年間で元がとれなくなってしまうからです)

屋根の広さが、一定以上でなければなりません。

(屋根が狭いと必要な発電量を生み出すだけのパネルを設置できないからです)

③ 屋根の形に制限があります。

(屋根の形によっては雨漏りやパネル脱落の危険があるためです)

長持ちする屋根材を使う必要があります。

(10年に一度などのメンテナンスを必要とする屋根だと、その都度パネルを脱着しなければならず、余計なコストがかかってしまうからです)

これは、設置者側の都合というより、屋根を貸してくださるご家庭への配慮であって、こういう考え方は信用に値すると思います。

①はともかく、②~④のような条件は、新築住宅の場合は最初からそのように設計すればよいことなのですが、リノベーションの場合は、既存住宅の広さや屋根の形によっては、工事費が跳ね上がってしまい、あまりメリットがなくなってしまったり、下手をするとかえって損してしまう場合も考えられます。

そういう場合は無料太陽光発電は付けない方が良いということになるのです。

と、なると、

「じゃあ、どんな場合ならつけてもらった方が良いのか?」

が知りたくなりますね。

というわけで次回は

「無料太陽光発電とリノベーション」 デメリットとその解消法

についてお話ししたいと思います。

さて、建築舎では住宅リノベーション事業を通じて
微力ながら皆様の豊かな住生活のお役に立ちたいと

考えています。

建築舎の取り組みについてご興味がおありでしたら、

是非ホームページものぞいてみてください

右差し https://kenchikusha.net/

 

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