固定資産税のビフォアアフター 新築基準のリノベーションの場合は?
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固定資産税のビフォアアフター 新築基準のリノベーションの場合は?
2021.04.27 | 住生活お役立ち講座
リノベーションの税金対策 ②
リノベーションしたご家族が、実際に支払っている税額は?
皆さま、お晩でした。
建築舎のリノベ担当です。
お客様と資金計画のご相談をしていると、住宅の取得にかかる税金の多さに驚きます。
ざっと数えても
1.登録免許税
2.印紙税
3.不動産取得税
4.固定資産税
5.工事や建物、諸経費にかかる消費税
などがあります。
全部数えているうちに、
「なんで家を買う時だけ、こんなに税金がかかるわけ⁈」
と、だんだん腹が立ってきます。
これらの税金をいくらかでも節約できれば、その分のお金を
1.お子様の教育資金
2.ご夫婦の老後資金
3.たまに外食したり旅行に行ったり、ご家族の思い出を作る資金
などに充てることが出来ますね。
前回は、「リノベーションで固定資産税は上がるのか?」について、「実は、税額算定の基準についてはよくわからない」、というお話をいたしました。
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しかし、これから家を買おうというときに、いったいいくら税金がかかるのかわからないというのでは、とてもではありませんが、不安で住宅購入の決断などできません。
そこで今回は、
実例から見る、リノベーションの固定資産税
- 税額が全く変わらなかったAさん
- 税額が2倍になったBさん
- どうして同じ工事内容なのに課税額が違うのか?
- それでも安い、リノベーションの固定資産税
について、過去の事例から、どんな場合に固定資産税が上がるのかを推理してみたいと思います。
税額が全く変わらなかったAさん
木造住宅の資産評価は、減価償却法で計算されます。
耐用年数が22年とされていますので、23年目からは住宅に価値はない、という計算になるはずですね。
ですが、固定資産税は23年目以降も、建物が建っている限り課税されます。
昨年Aさんは、築44年の「古家付き土地」を購入してリノベーション工事を行いました。
購入前の固定資産税(都市計画税を含む)の、土地、建物の総額は、年額で4●,●●●円でした。
(個人情報なので、千円以下の金額の公開はご容赦くださいませ)
さて、リノベーション工事を終えて住み始めた、今年の課税額はいくらだったでしょう?
何と!
円単位までリノベーション前と同じでした!
市税事務所からざっくり教えてもらった内容だと、住宅の資産評価が上がる基準は
柱や梁などの、家を支える構造体を交換すると評価が上がる
断熱材の交換や、増設(断熱性能を上げる工事)をすると評価が上がる
窓を入れ替えて断熱性能が上がると評価が上がる
屋根・外壁の下地に防水・通気層を作ると評価が上がる
などなどです。
要は、目に見えるところをきれいにしても資産価値は上がりませんが、住宅の寿命を延ばしたり、性能を上げる工事をすると、資産としての評価が上がり、固定資産税も高くなる、ということですね。
しかし、これらを全部行ったのに、税金が上がらなかったAさん。
では、同じ工事内容でリノベーションしたら、すべてのお宅で固定資産税は上がらないのでしょうか?
それとも何か、特別な理由があるのでしょうか?
税額が2倍になったBさん
ということで、やはり去年リノベーション住宅を購入したBさんの事例を見てみます。
コチラはなんと!
課税額が4●,●●●円台から、8●,●●●円台になっています。
同じように「古家付きの土地」を買い、同じ住宅性能に引き上げる工事をおこなったというのに、なぜか課税額が2倍になっています!
これは大いなるミステリーですし、不公平感もぬぐえません。
しかも、Bさんは、住宅が広すぎるということで、減築まで行っているのです。
増築を行ったのならその部分は新築同然ですから、固定資産税が上がるのも仕方ありません。
しかし建物の面積が減っているのに税金が上がるなんて、いったいどういうことなのか、納得のいく説明を求めたいところです!
そこで、さっそく市税事務所に問合せをさせていただきました。
(ご担当のT島さん(仮名)、お忙しいところに申し訳ありませんでした)
どうして同じ工事内容なのに課税額が違うのか?
さてさて、ワタクシとしたことが、Tさんに対してご挨拶もそこそこに、
「どうして同じ工事内容なのに税金が上がらないお宅があって、ウチの(Bさんの)家だけ税金が上がるんですか?」
などと聞いてしまいました。
(なんか、クレーマーみたいな言い方ですね。申し訳ありませんでした)
しかし、大事なお客様の将来設計に大きな影響を与える税金ですから、ここはしっかりお話をうかがわなければ!!
私の言動がきつかったのでしょうか、汗をふきふきお答えくださるT島さん。
(本当にすみません。決して文句を言いたかったわけではないのです)
そのお話によると、
「住宅性能を向上させる工事をおこなうと、必ず評価は上がります。
ただ、増築や減築など、明らかに工事をおこなったということがわからない場合、市税事務所では把握できないことがあります。
地域を見回ったり、航空写真で探したりしているのですが、まだそれが間に合っていないのかもしれません。
Bさんの場合は、床面積の変更がありましたので、「これは何らかの工事をおこなった」ということが明確だったため、すぐに調査のご協力をすることが出来ました」
ということでした。
なるほど、国の緊縮財政政策で公務員が減らされているので、そこまでの調査には手が回らないでしょうね。
ですが、ということは、Aさんのお宅でも、いずれは固定資産税が値上がりしてしまうということのでしょうか?
(涙)
ところで、ワタクシからの質問はもう一つありました。
「でも、同じ工事内容で2年前はこんなに高くなりませんでしたよ?」
(これもクレーマーちっくだな~💦)
「実は、住宅に対する評価が今まで低すぎた、ということになって、2020年度から評価の基準が変わったらしいのです。」
と、T島さん。(もちろん、汗、ふきふき)
「これはリノベーションだけではなく、新築も上がっているのでして、決してBさんや建築舎さんの工事にだけ特別高くしているわけではないのです」
・・・こういわれると、これ以上の質問は、それこそクレーマーですね💦
そもそも私たちは、新築基準の住宅性能と資産価値をそなえたリノベーションを実現しようとして日夜頑張っているのでした。
「価値は認めてほしいけど税金は払いたくない」というのはワガママですね・・・(しょぼん)
(新築基準のリノベーション住宅の資産価値にご興味のある方はコチラ)
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それでも安い、リノベーションの固定資産税
さて、T島さんのお話をうかがう限り、資産価値の評価基準がひきあげられてしまったようですが、だからと言ってリノベーションの固定資産税が新築より高くなったわけではありません。
Bさんの場合、同じ土地に同じ大きさの住宅を新築した場合は、少なくとも13万円以上の固定資産税がかかるということです。
固定資産税は数十年間にわたって払い続けなければなりません。
たとえ数万円の差であっても、一生の負担額はかなり大きな差になります。
本来でしたら、みんなが新築を建て、固定資産税もたくさん払ったほうが、日本の経済や財政健全化には役に立つのでしょうが、そのまえに、もっと大切なのが家計の健全経営です。
早く日本がデフレを脱却して、国民が豊かになってゆく世界に戻れるようにるように祈るばかりです。
「そうなって、みんなが新築を建てるようになったら、リノベーションの建築舎は困るのではないの?」
というご質問もきこえそうです。
ご心配いただきありがとうございます。
ですが、新築はリノベーションほどの技術が必要ありませんので大丈夫です。
リノベーションで新築基準をクリアできるうちの大工さんたちなら、必ず、新築メーカーさんに負けない施工をしてくれるでしょう。
さて、今回、2回にわたって固定資産税についてお話してきましたが、
「固定資産税以外の税金についてはどうなってるの?」
も、気になりますね。
というわけで次回は
「できれば節約したい不動産取得税」
についてお話ししたいと思います。
さて、当社では、リノベーション住宅を中心に
少しでもご家族の豊かで幸せな生活を築きたい
というお客様の
資金計画のお手伝いをしています。
ご興味がありましたら、
是非ホームページもご覧ください
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