建築舎のコラム
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コンクリートの寿命ってどのくらい?鉄筋コンクリート造の耐用年数について
公開日:2024.05.08
◇ コンクリートの寿命ってどのくらい?鉄筋コンクリート造の耐用年数について ◇
コンクリート造の家は構造やデザインの幅が広く、家づくりでも人気のある素材です。しかし鉄筋コンクリート造の寿命や耐用年数も気になるところですよね。このコラムでは、コンクリート造の耐用年数のほかに、メリットやデメリットもご紹介していきます。
コンクリート造住宅を検討されている人は、チェックしてみてくださいね。
目次
1. 鉄筋コンクリート(RC)造とその他構造の耐用年数の比較
2. 次に、鉄筋コンクリート造のメリットとデメリットを見ていきましょう。
3. 実際の寿命はメンテナンス次第!~インスペクションで安心~
4. まとめ
1. 鉄筋コンクリート(RC)造とその他構造の耐用年数の比較
鉄筋コンクリート造の耐用年数は、税法上47年と定められています。
その他の構造の耐用年数とも比較してみましょう。
素材 |
耐用年数 |
木造・合成樹脂(ガラスやプラスチックなど) |
22年 |
木骨モルタル造 |
20年 |
レンガ造・石造・ブロック造 |
38年 |
金属(鉄骨)造 |
骨格材の厚さによって19年~34年 |
コンクリート造 |
47年 |
上記のように、建築物は素材によって耐用年数が決まっています。
税法上の耐用年数は、不動産的資産価値がなくなるまでの年数であり、この年数を超えたからと言って住めなくなるということではありません。
どのように住むか、どのように使うか、またメンテナンス次第で実際の耐用年数は変わってきます。
2. 次に、鉄筋コンクリート造のメリットとデメリットを見ていきましょう。
■鉄筋コンクリート造のメリット
・耐火性が高い
コンクリートは熱に強く燃えにくい素材のため、炎に包まれても崩れることはありません。そのため住宅の密集地でも延焼を防ぐことができます。火災保険の保険料も一般の木造住宅より安いのが特徴です。
・気密性に優れている
鉄筋コンクリート造は型枠にコンクリートを流し込んで建築するため、隙間がなく気密性が高くなります。気密性が高いと、外の空気が室内に入り込みにくく、室内の空気も外に漏れにくいため、季節に関係なく快適に過ごすことができます。
・防音性、遮音性能に優れている
上記のように気密性が高いということは、外部に音が漏れにくく防音性も高くなります。
またコンクリートの特性上、素材が硬く、音を遮ってくれるため遮音性にも優れています。
・耐震性が高い
鉄筋コンクリート造は鉄筋とコンクリートの特徴から、引っ張る力にも圧縮にも強いため、横揺れにも縦揺れにも強く、耐震性に優れています。過去に起きた大地震でも、木造や鉄骨造の建物に比べ、建物の倒壊が少なかったという実績があります。
・デザインの自由度が高い
型枠にコンクリートを流し込むため、曲線形状や斜線のある形状を作りやすいという特徴があります。窓の位置なども自由にデザインすることができるため、おとぎ話に出てくるような可愛らしいお家や、個性的な外観のお家など、幅広い設計が可能になります。
■鉄筋コンクリート造のデメリット
・建築コストが高くなりやすい
鉄筋コンクリート造は木造に比べ、工期が長く、その分の人件費などコストが増加します。また木造に比べてコンクリートは重いため、地盤改良や基礎工事に費用がかかります。
鉄筋コンクリート造の工程では、現場で鉄筋と型枠を組みコンクリートを流し込み、その後コンクリートが固まるまで待つという作業が発生するため、工期が長くなるのです。一方、一般的な木造住宅は工場でカットされてきた木材を現場で組み上げて作るため、工期は短い傾向にあります。
・室温管理が難しく結露、カビが発生しやすい
鉄筋コンクリート造は木造に比べて熱を伝えやすいという性質があるため、外気温の影響を受けやすいのが特徴です。そのため室温管理が難しく、結露が発生しやすい傾向に。また室内の暖かい空気を外に逃がさないため、室内に湿気がこもりやすくなります。結露や湿気が発生するリスクが高いため、カビも発生しやすくなります。
・経年による汚れ、劣化が目立つ
コンクリートは水分を吸収しやすいため、経年により、雨だれなどの汚れが目立つ場合があるでしょう。またコンクリートの特性上、クラックと呼ばれるひび割れも発生することがあります。
3. 実際の寿命はメンテナンス次第!~インスペクションで安心~
構造によって耐用年数はさまざまですが、一般的にどんな建物でもメンテナンスを適切に行えば50年以上使えると言われています。その中でも鉄筋コンクリート造の耐用年数は100年以上とも言われています。
ただし、建物を長く使うためにはメンテナンスが重要。
ホームインスペクターによるインスペクション(住宅診断)を行うことで、自分では見つけられない不具合を見つけてもらうことができます。
不具合が見つかれば適切に補修をして、建物の寿命を伸ばすことができますよ。
特に鉄筋コンクリート造では、ちょっとしたクラック(ひび割れ)やコンクリート部分の穴などの欠陥が建物の寿命を縮めてしまいます。そこから雨などの水分が入ると、コンクリート内部の鉄筋が錆びてしまい、コンクリートが剥がれ落ちてしまうからです。
そうならないためにも、プロのインスペクターによるインスペクションを行って、安心して長く住める住宅を手に入れましょう。
4. まとめ
今回は、鉄筋コンクリート造の耐用年数についてご紹介しました。税法上の耐用年数は47年。ですが、建物の価値を維持して安全性を保つためにも、しっかりと専門家による定期的なインスペクション・メンテナンスを行っていきたいですね!