建築舎のコラム

エコブレス®とは、北海道にある“株式会社から屋”が開発した、ダクトレス（空気を通す筒状の配管がない）全館空調システムであり、2015年9月に特許を取得しています。

病院のクリーンルームなどでも使われる第２種換気システムを利用しており、外気を取り入れながら、床下の暖房機器一台で家中を暖かく（夏は涼しく）します。電気・灯油・ガスいずれも可能で熱源を選びません。

エコブレス®には、以下のようなメリットがあります。

①自然体流で各室の温度ムラを抑制するためヒートショックの不安を解消

②家中に温度、湿度差がなくなる為、結露やカビが発生しにくい

③各部屋にストーブやパネルヒーターを置く必要がない

④加圧換気により外気を確実に導入でき、PM2.5等の汚染外気の室内侵入を抑制できる

⑤ダクトレスでメンテナンスがしやすい

季節問わず、室内の空気が対流していながらも、風を感じることなく体に優しい空調を実現。最小限の冷暖房設備で家中の室温を均一に保つので光熱費削減にもつながります。

※画像引用元：株式会社から屋ホームページ

優れた特徴を持つエコブレス®ですが、どのようなデメリットがあるかを見ていきましょう。

①施工可能な住宅会社が限られている

エコブレス®を最大限機能させるために重要なのは、気密性能。

自然体流を室内で発生させるため、家にすき間があると給気システムがうまく回らなくなってしまうほか、壁内結露の原因にも。

このため、高い気密性を確保できる技術が必要であり、扱える住宅会社が限られてきます。

②建築コストがかかる

エコブレス®を採用するためには、一定以上の高気密・高断熱性能を備える必要があります。断熱材やトリプルガラスの採用など、一般的な「高性能住宅」と言われる水準の工事となるため、その分の建築コストが発生します。ただし、換気暖房設備の費用は抑えられるほか、毎月の光熱費も下げられる可能性が高くなるため、長い目で見ると経済的と言えるでしょう。

③リノベーションでは特に施工が難しい

エコブレス®は床下に暖房機器を設置するため、床下にスペースを設けられる設計が必要になります。リノベーションに用いる中古物件の中には、設計上、床下にスペースを設けられない場合があります。

また、リノベーションでは、新築よりも更に気密性能を高めるための技術を要します。

リノベーションでエコブレス®を検討される場合は、慎重に住宅会社を選ぶ必要があります。

エコブレス®は、以下のような方におすすめです。

・室内の空気の清浄化にこだわりたい方

エコブレス®の特徴の一つである「第2種換気システム」は、給気を機械で行い、排気を自然換気で行います。外からの汚れた空気の侵入を防ぐため、クリーンな環境を保つことができます。病院のクリーンルームのほか、食品を扱う工場などでも使われている換気システムですが、住宅では『壁内結露しやすい』『第3種換気で十分』といった理由で、積極的に取り入れる住宅会社は多くありません。しかし十分な気密性能があれば壁内結露の心配はなく、花粉やPM2.5などの侵入も防ぐという点で非常に優れた換気システムと言えます。

・お子さまのアレルギーが心配な方

こちらも上記同様、第2種換気システムによって綺麗な空気が保たれることから、ハウスダストやシックハウスなどによる症状が気になる方にもおすすめです。

また、一部のアレルギー症状は壁内のカビが原因であることも多いため、家中の温度・湿度差がなくなるため結露しにくく、カビが発生しにくいエコブレス®は、アレルギーが心配な方にも最適です。

・空間を有効活用したい方

パネルや部屋ごとの暖房機器を必要としないエコブレス®は、物を置けない場所が極めて少ないため、空間の有効活用ができます。頻繁に模様替えをしたい方や、お部屋をスッキリさせたい方にもオススメです。

今回は、北海道生まれの全館空調システム、エコブレス®について詳しくご紹介しました。株式会社　建築舎では、リノベーションでもエコブレス®を採用する施工技術を持っており、エコブレス®を使った施工事例も多数ございます。少しでも気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね！