
建築舎のコラム
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中古住宅購入+リノベーション費用の目安と予算計画
公開日:2025.05.28
◇ 中古住宅購入+リノベーション費用の目安と予算計画 ◇

ここ数年札幌近郊でも、土地価格の高騰や、建築資材の高騰により、中古住宅を購入して自分好みにリノベーションしたいと考える人が増えています。
新築よりも費用を抑えられ、立地や広さの選択肢も広がることから、今や中古住宅+リノベーションは、住宅取得の有力な選択肢のひとつです。
しかし、いざ検討を始めると「トータルでいくらくらい必要なのか?」「どのように予算を立てればいいのか?」と、わからないことも多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、中古住宅購入からリノベーションにかかる費用の目安と、予算計画を立てる際のポイントをわかりやすくご紹介します。
目次
1. 中古住宅購入とリノベーションにかかる費用の相場(札幌市の場合)
2. リノベーションの予算配分例とそれぞれのポイント
3. 予算オーバーを避けるためにあらかじめ調べておきたいこと(老朽化に伴う追加工事等)
4. まとめ
1. 中古住宅購入とリノベーションにかかる費用の相場(札幌市の場合)
■札幌市内の中古住宅価格
札幌市の中古住宅は、エリアや築年数により価格に幅があります。以下はおおよその相場感です。
エリア |
価格 |
中央区 |
約2,800万円~3,800万円 |
豊平区・東区・西区・白石区・北区 |
約2,000万円~2,800万円 |
厚別区・手稲区・清田区・南区 |
約1,000万円~2,000万円 |
駅徒歩圏内や学校区にこだわると価格は上がりますが、築古物件は価格が抑えられているため、リノベーションを前提とすれば選択肢が増えます。
■リノベーション費用の目安
札幌市でのリノベーション費用の相場は、グレードにもよりますが以下のような内容が多いです。冬の寒さに対応した断熱・暖房設備の更新は特に重要です。
工事内容 |
費用の目安 |
水回り(キッチン・バス・トイレ等)の更新 |
100万~400万円 |
内装工事(床・壁・天井) |
200万~400万円 |
断熱改修(窓交換・外壁内側の断熱材) |
150万~300万円 |
間取り変更・補強工事(スケルトン改修含む) |
300万~500万円以上 |
フルリノベーション(戸建て) |
1,500万~3,000万円前後 |
中古住宅購入+フルリノベーションの総予算としては、2,500万〜4,500万円程度がひとつの目安になります。
2. リノベーションの予算配分例とそれぞれのポイント
リノベーションの予算をうまく配分するには、何にこだわるか、どこを妥協できるかを見極めることが大切です。
■フルリノベーション時の予算配分例(総額2,200万円)
項目 |
配分金額の目安 |
内容例 |
解体・撤去工事 |
約400万円 |
建物の解体、撤去 |
給排水・電気・ガス工事 |
約250万円 |
給排水管の更新、ガス管の更新など |
水回り更新 |
約400万円 |
システムキッチン、ユニットバス、トイレ、洗面台交換 |
内装 |
約200万円 |
床、壁紙、天井、建具など全体の雰囲気を刷新 |
断熱・窓 |
約300万円 |
窓交換、断熱材追加などの寒さ対策 |
間取り変更 |
約500万円 |
和室をLDKに変更、壁の撤去など |
設計・管理費 |
約150万円 |
プラン作成、施工管理など |
■ポイント①「北海道の冬に強い家」にする
北海道では「冬の寒さ対策」が非常に重要です。暖房の効きやすい間取りや、断熱性の高い窓・玄関ドアを導入することで、冬の光熱費を大きく節約できます。
■ポイント② 水回りの配置はコストに直結
キッチンやバスルームの位置を大きく移動すると、給排水管の工事が増え、費用が上がります。現在の配置を活かしたプランニングがコストダウンにつながります。
3. 予算オーバーを避けるためにあらかじめ調べておきたいこと(老朽化に伴う追加工事等)
リノベーション計画で最も注意したいのが想定外の出費です。特に中古住宅では、見えない部分に補修が必要なケースが少なくありません。
■住宅の老朽化・劣化状況のチェック
中古住宅は築20年以上になると、
・基礎や土台の腐食
・雨漏りや外壁のひび割れ
・シロアリ被害(北海道でも近年では増加傾向)
といったトラブルが発生していることもあります。
購入前にインスペクション(住宅診断)を実施することで、補修や修繕が必要な箇所を把握でき、追加費用が発生することを防げます。
■耐震・断熱性能の確認
札幌市では築40年を超える住宅も多く、旧耐震基準(1981年以前)の住宅も多く存在しています。耐震補強には50万〜200万円程度の予算が必要になる場合も。
また断熱性能が低いと、せっかくリノベーションしても快適に暮らせません。内窓設置や断熱材を追加することで、初期費用はかかりますが、光熱費の削減などに直結します。
■補助金の活用
リノベーションをする際には、国や地方自治体で実施している補助金制度を利用できます。子育て世帯を対象とした補助金や、窓やドアなどの断熱性能を高めることで利用できる補助金もあるため、建築会社に相談して補助金を活用しましょう。
■信頼できる会社選びと事前打ち合わせ
費用トラブルを防ぐには、施工前の打ち合わせが重要です。「ここは追加費用がかかりそう」「想定外が出る可能性がある」などを正直に伝えてくれる、信頼できる建築会社を選びましょう。
4. まとめ
リノベーションは、工事内容によって予算の幅が大きく異なります。見た目をキレイに改修するだけだと予算は抑えられますが、壁内の壁や結露、木材の腐食など、健康リスクや安全性にも問題が生じる可能性があるため、しっかりとインスペクションを実施した上で、どこまでリノベーションする必要があるのか、専門家の意見も聞いた上で判断しましょう。
株式会社 建築舎では、ご予算やご希望に合わせて選べる「トワスム」というリノベーション・リフォームプランを用意しております。札幌市内・札幌近郊でリノベーションをご検討の際にはご相談ください。
