魅力的な優遇ローン!借り入れできるかできないか? 「融資条件と審査基準」
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魅力的な優遇ローン!借り入れできるかできないか? 「融資条件と審査基準」
2021.04.20 | 住生活お役立ち講座
今こそ知りたい住宅ローン ②
実は誰でも借りられるわけではない?格安金利の住宅ローン
皆さま、お晩でした。
建築舎のリノベ担当です。
昨日は、金利が1%上がると、実際の返済額はいくら増えるのか?
この超低金利はいつまで続くのか?
についてお話ししました。
(ご興味のある方はコチラ)
👇
土地や材料が値上がりしている今日このごろ、少しでも安い金利で住宅費の負担を抑えたいところです。
ただし、驚くような低金利には、それなりの理由があるわけでして、実はだれでもが広告に載っているような優遇条件でローンを組めるわけではないのです。
そこで今回は、
「借り入れの可、不可を決める、融資条件と審査基準」
- 魅力的な融資条件(借り入れ条件)は表の顔
- 公表されない審査基準
- 借入可能額は返済比率と審査金利で決まる
- 支払い負担額を左右するのは金利だけではない
についてお話ししたいと思います。
魅力的な融資条件(借り入れ条件)は表の顔
住宅ローンのパンフレットやネット広告には、
「金利 0.★★%!」
とか、
「店頭表示金利から、ず~っと 1.★★%引き下げます!」
「保証料無料!」
「事務手数料無料!」
などと、ワクワクするような文字がおどっていますね。
本当にその金利で借りられたら、どれだけ節約できるかわかりません。
しかし、どこかに必ず、
「当行が定める条件を満たした場合」とか、「金利の適用には条件があります」
などの但し書きがあります。
そしてその条件を満たしていない場合は、もっと高い金利が適用されたり、やっぱり保証料がかかってしまったり、保証料の金額が高くなったりします。
お客様に、できるだけ有利な住宅ローンをご紹介したいと考えているワタクシとしては、
「じゃあ、その条件を先に教えてよ!
そうすれば、せっかく申し込んだのにダメだった、とかで、お客様にがっかりさせる心配がないから!」
と、言いたいところです。
公表されない審査基準
パンフレットの裏側や「ローン商品説明書」などには、
資金使途(なんの目的でお金を借りるのか)
お申込み可能なお客様(勤続年数や年収など)
といった具合に、ある程度の条件が書いてあります。
(ちなみに、この資金使途の欄に、「リフォーム」という項目がない場合は、リノベーションには使えません。築30年の中古住宅の購入はOKでも、リノベーションには使えません。たとえその古い住宅を新築基準に再生する工事だとしても使えません💧)
お申込み可能なお客様の欄に、
年収 100万円以上、とか 200万円以上なんて書いてありますが、じゃあ、それで本当に住宅ローンが組めるのかというと、実情はそうシンプルなものではありません。
もちろん、書かれている条件を満たしていれば、お申込みは可能ですが、だからと言って、ご希望通りの金額を借りられるわけではなく、金融機関がそれぞれ定めた「審査基準」をクリアする必要があります。
そして、この審査基準は、一般にはあまり公開されていません。
実は、はっきりした内容については、私たちにも教えてもらえません。
というのは、私たちが直接お話しできるのは銀行の担当者さんであって、審査部の人や、保証会社の人ではないからです。
実際に審査をして融資の可否を決めたり、借入限度額を決めるのは、この審査部や保証会社なんですね。
返済比率と審査金利
とはいえ、長年お付き合いをしていると、比較的常識となっている部分は教えてもらえますし、ローンのご紹介件数が多くなってくると、保証会社さんが「勉強会」を開催してくれて、その席上で「ここだけの話」として教えてくれることもあります。(その内容は、ここで書くことはできませんが・・・)
その中で、お話しても良いだろうと思える点として、返済比率と審査金利についてお伝えしてみます。
返済比率というのは、
「借主様が、収入の何パーセントまでを返済に充てられるのか?」
という考え方です。
例えば、税込み年収300万円のAさんは、月にならすと25万円の収入があることになりますね。
例えば銀行さんが返済比率を30%と決めていたとすると、
25万円 × 30% = 75,000円
ということで、Aさんは月々75,000円までの支払いができるはずだ、と判断されます。
この際、気を付けていただきたいのは、この返済月額は、元金だけではなく、金利込みで計算されるということです。
そこから逆算すると、Aさんは、4,335万円の借り入れが可能だということになります。
(そんなに借りたくないですし、そんなに借りてはいけません。)
ところが、返済比率を25%と決めている別の銀行さんに審査を申し込むと
25万円 × 25% = 62,500円
となり、逆算するとAさんの借入可能額は、3,613万円に減ってしまいます。
この時、他にカーローンやクレジットカードの借り入れなどがあると、その分、返済可能額から差し引かれてしまうので要注意です。
そしてここからが複雑な話になりますが、
実際に支払う金利と、銀行が審査するときの計算に使う金利は、実は利率が違うのです。
金利0.5%というのは、変動金利の利率ですので、いずれ金利は上がります。
たいていの銀行では、そうなったときにもお客様が支払いを続けられるかどうかの基準として、審査金利を1.5%以上に設定していることが多いです。
(金利の上昇リスクについて知りたい方はコチラ)
👇
https://kenchikusha.net/kenchiku_blog/blog-post-4122/
適用金利が0.5%前後の低金利ローンを提供しているネット銀行さんなどは、2.5%から3.5%の審査金利を設定しているところも少なくありません。
ちなみに、返済比率25%で審査金利3.5%だったとすると、Aさんはいくらの借り入れが可能でしょうか?
月62,500を3.5%の金利で逆算してみると、借入額は2,025万円まで下がってしまいます。
また、審査金利を貸出金利と同じに設定している銀行では、年収の倍率で判断する場合もあります。
いろいろな基準によって変わりますが、一般的な年収倍率は、5倍から7倍くらいかと思われます。
そうなるとAさんの借入可能額は 1,500万円~2,100万円くらいになってしまいますね。
こうしてみると、見た目の金利が安くても、こと借入可能額に関しては、実際に借り入れできる金額には、そう大きな差はないということがわかります。
このような「融資条件や審査基準の差」は、金融機関ごとの考え方の違いによります。
企業の考え方の違いは = 「どんなお客様に、どのようにお役に立ちたいか?」
という企業の姿勢の違いです。
このような「考え方」は、当然借りるときだけではなく、借りた後の対応にも影響しています。
中には、お客様に金利上昇リスクを背負わせないために、固定金利しかご用意していない金融機関もあります。
「とりあえず貸し付けて、その時儲かればよい」と考えるのか、
「最後まで無理のない返済額の範囲内で、ご家族に幸せになってもらいたい。だから無理な貸し付けはしない」と考えるのか・・・
住宅ローンは人生の多くの期間にわたって払い続けなければなりません。
金融機関を選ぶときには、目にみえる「金利」や、「保証料無料」などの優遇条件だけではなく、その「考え方」にも目を向けてみてはいかがでしょうか?
支払い負担額を左右するのは金利だけではない
さて、住宅にかかる支払負担は金利だけではありません。
先にもお話しした「保証料」や「事務手数料」など、いろいろな費用が掛かります。
というわけで次回は
「見える数字に惑わされない! ローンコストの全体像」
についてお話しできればと思います。
さて、当社では、お客様のお好みに合わせて
選べる!オーダーリノベーション住宅を中心に
より有利な条件でローンを組みたいという方の
資金計画のお手伝いをしています。
ご興味がありましたら、
是非ホームページもご覧ください
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