オーダーリノベーションの楽しみと注意点 ② 陽当たり良好は要注意!
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オーダーリノベーションの楽しみと注意点 ② 陽当たり良好は要注意!
2021.06.03 | 住生活お役立ち講座
長期優良リノベーションが、南向き、陽当たり良好を避けたいこれだけの理由
皆さま、お晩でした。
建築舎のリノベ担当です。
家探しをしているお客様の5割くらいが陽当たりを気にされます。
また、1割くらいの方は、南向きの住宅をご希望になりますが、南向きの物件は、売り物件全体の2割もありません。
どうしても
「南向きでなければイヤ!」
というお客様は、場合によっては何年も物件探しを続けることになりますし、下手をすると一生家が買えなくなってしまうこともあり得ます。
オーダーリノベーションの楽しみの一つに、窓の位置や数、大きさを変えられる点があります。
たとえ、南向きでなくとも、光や風を取り入れられるように、間取りや窓を変更することが可能です。
また、窓の色や配置は、外観デザインにも関係します。
単に見た目の問題だけではなく、断熱や採光、通風など、暮らしの快適さにも大きな影響を及ぼします。
特に敷地の形やお隣の建物などにより、陽当たりが遮られる場合は、窓の設置のしかたで解決できることも多くあるのです。
(陽当たりの悪い家を窓の設置のしかたで明るくした例にご興味のある方はコチラ)
👇
そこで今回は、
要注意! 陽当たり良好物件
◆なぜ南向きの物件がもてはやされるのか?
◆高性能住宅には危険な直射日光
◆明るいことと直射日光が当たることとはまるで意味が違う
◆実は難しい、夏を快適に過ごすための窓の設計
についてお話ししたいと思います。
なぜ「南向き物件」がもてはやされるのか?
不動産屋さんの広告のキャッチフレーズでトップに来るものといえば
「南向きにつき陽当たり良好!」
ではないかと思います。
これさえあれば、必ず売れる!的な必殺のフレーズですが、南向き物件だけがこのようにもてはやされるのはなぜなのでしょうか?
単に直射日光を取り入れるためであれば、リビングを南に配置すればよいだけですから、家自体が北向きだろうとどこ向きだろうと関係ありません。
また、たいていの場合道路側には玄関やトイレなどを配置しますので、南向きということは、そちら側の外壁の1/3くらいはリビングに接していないため、窓の面積が小さくなってしまいます。
さらに、道路側に大きな窓を設置すると往来から家の仲が丸見えになってしまうため、せっかく南向きに窓を設置しても、カーテンを引きっぱなし、などということにもなりかねません。
こう考えると、無理して値段の高い、南向きの住宅を手に入れる必要はないような気がします。
多分、暖房機器が未発達で、気密も断熱もろくに整備されていなかった時代、冬の寒さに耐えるため、少しでも直射日光を取り入れようとしたころの名残なのでしょう。
高性能住宅には危険な直射日光
直射日光には多くの紫外線と赤外線が含まれます。
これらの光はモノにあたると熱を発しますので、寒い冬に直射日光を取り入れられれば、暖房費が節約になるかもしれませんね。
しかし、気を付けていただきたいことは、現在の新築住宅や、長期優良リノベーション住宅は
「高気密高断熱」
である場合が多いということです。
こういった住宅は、家の中の熱を逃さないようにしますので、一度温まった部屋は、そう簡単に冷えません。
確かに冬場は直射日光を取り入れることで暖房費を節約することはできるかもしれませんが、夏は一体どうなるのでしょう?
ワタクシが子供のころの札幌は、25度を超える日が年に数日あるかどうかで、それでも「暑いあつい」と言っていたものです。
ところが忘れもしない、33歳の夏(今を去ること26年前です)確か一週間連続で35度越えの猛暑日が続いたことがありました。
熱中症による死亡が社会問題になったのもそのころからだったように記憶しています。
ワタクシが現在住んでいる賃貸マンションは北向きですが、東と南に大きな窓があり、夏の朝は3時半から4時にもなると暑さで目を覚ますような日が続きます。
歳も歳で一人暮らしなので、熱中症による孤独死の心配をしなければならないと、切実に考えてしまう今日この頃です。
南向きに大きな窓を複数つけたいというお客様は結構多いのですが、私は最低3回は考え直すようにお勧めしています。(5回、お止めしたこともあります)
それでも断固として決行なさるお客様もいらっしゃいますが、たいていの場合は次の年の春、
「2階にもエアコンつけるとしたらいくら?」
というお見積りのご依頼をいただくことになります。
(会社としては売り上げが上がってうれしいのかもしれませんが・・・💦)
明るいことと直射日光が当たることとは意味がまるで違う
とはいえ、窓が小さすぎたり少なかったりしては、部屋が暗くなってしまいます。
でも、直射日光が当たらないと暗いのかというと決してそうではありません。
一番わかりやすい例としては、曇りの日でも私たちは電気の力を借りずに読み書きができるということです。
これは、私たちが「明かりとして普段使っている自然光」のうち直射日光はごくわずかだということの証明です。
では、私たちが使っている「明かりとしての自然光」の正体はというと、
「天空光」
という名前で呼ばれています。
これは日光が空気の粒や空気中のちりなどに反射して、空いっぱいに広がる光のことです。
この光があるから、私たちは曇りの日も雨の日も、電気の力を借りずに日常生活が営めているわけでして、もし、地球に空気と天空光がなかったら、私たちが見上げる空は、月から見上げる空のように、真っ暗で星が瞬いていることでしょう。
実際、住宅の採光の計算をするときには天空光だけを考え、直射日光は計算に入れません。
時間や方角、近隣環境の変化(隣に高い建物が建つなど)などにより、計算が難しいからです。
このように考えていくと、高気密高断熱住宅にとっての理想の採光計画とは、
「直射日光を遮って、天空光だけを取り入れる」
事であると言えそうです。
実は難しい、夏を快適に過ごすための窓の設計
さて、窓には、光を取り入れるという役割のほかに、
「風を通す」
「空気を入れ替える(換気)」
という大切な役割もあります。
採光・遮熱・断熱・通風・換気・デザイン・・・
ざっと数えただけでも窓が果たす役割は大きいですね。
これらのバランスを取りながらご予算内に収める設計をするためには、豊富な知識と経験が必要です。
快適な住まいの実現のためには、見た目のおしゃれさや「南向き」へのあこがれだけではなく、専門家のアドバイスもご一考くださるよう強くお勧めいたします。
さて、当社では、お客様のお好みに合わせて
選べる!オーダーリノベーション住宅を中心に
自分らしい家を持ちたいという方の
さまざまなご要望にお応えしています。
ご興味がありましたら、
是非ホームページもご覧ください
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